ご覧のように、「赤旗」も大きく報道している。「国民の怒りは習近平指導部に向かいつつ」あることも、習氏の出身校である精華大学でも1000人近くが集結し、「民主主義を、法治を、表現の自由を」と訴え、インターナショナルを合掌したことも載っている。

 

 しかし、外信面のトップであって、1面トップではない。ほとんどの日本メディアがトップで伝えているのに、きわめて残念なことだが「赤旗」はそうではない。

 

 10月の中国共産党大会のときも同じだった。習近平が台湾武力統一方針を宣言した際も、主席3期目で押し切り独裁権力を確固とした際も、小さな記事ではなかったが国際面の報道にとどまった。

 

 聞くところによると、その理由は、台湾武力統一方針はこれまでと変わりがなく、3期目も既定路線で、どちらもニュース性に欠けるということだったらしい。しかし、党の最高機関である大会で台湾武力統一を打ち出したのは歴史上初めてのことであったし、3期目も大会で決めたことが大ニュースであって、理由にならないと思う。

 

 それよりも、中国共産党に関するニュースは、日本共産党にとってただのニュースではないという視点が決定的に欠けている。中国共産党が台湾武力統一方針を宣言するたびに、独裁権力が強固になっていけばいくほどに、日本国民はその視線を日本共産党に向けているのだ。だから、ちゃんと報道しているからいいというのではなく、「赤旗」でどんな位置づけで扱われるかによって、国民は日本共産党を判断しているのである。

 

 それに、今回の中国人民の決起は、これまでの延長線上ではない。天安門事件の再来に過ぎないとしても、30数年ぶりだというだけでニュースだろう。しかも、今回は、天安門のように民主化の理想に燃える学生の決起というだけでなく、全国各地で、一般の民衆も含めた決起になっている。かつ、コロナ禍での生活の苦しさと、共産党権力による抑圧的なコロナ対策への批判が、一体となって吹き出している。

 

 本来なら、「共産党の解散」「習近平の辞任」を求める民衆の声に対し、日本共産党は熱い連帯を表明すべきものだと考える。私が党首だったら、きっとそうしていただろう。