さて、私が立候補することを想定した場合、何よりもハードルが高いのは、党員投票の党首選挙が実施されたとして、誰でも立候補できるかということだ。そこが最大の問題かもしれない。

 

 現行規約は、党首を中央委員会で選ぶこととされているが、ということは、委員長は中央委員であることが前提になっているように見える。これまでの実際の運用もそうである。つまり、現行規約のままでは、党員投票の党首選挙が実現したとしても、委員長に立候補できるのは中央委員に限られるという可能性があり、それなら私などヒラの党員は立候補することができない。

 

 私の立候補が不可能ということではないのだ。私が中央委員になればいい。大会が招集されたら、まず支部の会議で私が訴えを行って代議員として選ばれ、地区党会議、県党会議、全国大会へと上り詰め、そこで自薦で立候補し(現行規約でもそれは可能であることが2000年の規約改正の際、不破さんが明らかにした)、常任幹部会の推薦がなくても選挙に臨めばいいのである。しかし、現行の規約の解釈を維持したままでは、私が党首になりたいとして日常的に働きかけをできるのは、私が所属している支部の党員だけなのだ。そこで選ばれて私が地区や県の会議に参加できたとしても、参加者の誰もがその場になるまで私の考え方はもちろん名前さえ知らないのだから、例え一〇分ほどの政見を述べる機会が与えられたとしても、圧倒的に不利であることはいかんともしがたい。

 

 自民党や立憲民主党の場合、国会議員であることが党首選挙に出るための最低限の要件である。その上で、国会議員20人の推薦が必要なのである。共産党の場合も、何らかの要件は必要になるだろう。私としては、立候補者は中央委員に限るのではなく、ヒラの党員でも党首選挙に立候補できる規定をおいてもらえばありがたい。

 

 実例もある。社民党だ。社民党の場合、所属している都道府県連の推薦が不可欠だが、プラスして必要なのは国会議員の3分の1の推薦か、それが無理なら党員200人の推薦でもいいことになっている。だからこれまで、国会議員でも役員でもない石川大我氏(東京都豊島区議会議員、現在は立憲民主党所属の国会議員)が立候補し、党首選挙を闘った実績がある。共産党の場合、他のどの党よりも、国会議員や役員と比べて、党員の努力に依存している政党である。だから、ヒラの党員であっても、党員1000人程度の推薦を獲得できれば党首選挙に立候補できる仕組みが必要ではないだろうか。(続)