「赤旗」のそれなりに熱心な読者である、「新聞」って「新しく」「聞く」という意味であり、新しいことが書かれていないと意味が半減する。同じことをキャンペーンのように繰り返すのは、実は新聞らしくないということである。

 

 その「赤旗」に無茶苦茶新しいことが書かれていて、びっくりした。24日付に掲載されているのだが、19日に開かれた参議院選挙予定候補者会議における志位委員長の発言のことだ。

 

 その数日前に都道府県委員長会議があって、同じ志位さんの長い報告が載ったばかりだし、中身は同じだろう、候補者会議なのでわかりやすく説明をしているだけだろうと思っていたのだ。だから、余計にびっくりした。

 

 それが、このブログのタイトルである。自衛隊を活用する方針について説明したくだりで、野党政権でも民主連合政府でも侵略に対して活用することを述べているのだが、そこに以下のように書かれている。

 

 「「活用」する主体は…わが党も参加する民主的政権の対応として言っているわけです」「自衛隊を活用する——実力組織を活用するというのは、政府でないとできません。民主的政権というのは、緊急の課題での野党連合政権、そして民主連合政府などの全体を含むものです」

 

 いや、野党政権でも民主連合政府でも自衛隊を活用するというのは、全く新しくはない。この間、志位さんが強調していることだ。

 

 しかし、その野党政権を「民主的政権」と位置付けるのは初めてである。しかも、野党政権も民主連合政府も「民主的政権」ということでは同じというか、連続的な位置付けを与えられている。

 

 共産党の綱領の考え方で言うと、共産党が参加する政権は二つの種類があった。一つは日米安保条約を廃棄する民主連合政府であり、もう一つは安保の廃棄は含まない緊急課題での「よりまし政権」だと言うのが、これまで共産党が説明してきたことであった。両者の間には越えられない壁があるという考え方だったのだ。

 

 大転換である。大会や中央委員会でもなく、数日前の都道府県委員長会議でもなく、候補者会議での大転換である。これをどう捉えればいいのだろうか。(続)