昨日から、志位さんが侵略されたら自衛隊を使うと明言したとして、いろいろ話題になっている。率直に言って、志位さんはこれまで言ってきたことを繰り返しただけであり、批判するにせよ賛同するにせよ、なぜこんなに話題になるのかがわからない。

 

 というか、普通の人がびっくりするのはいいけれど、細野さんとか泉さんとか、政治家だったら「また同じこと言ってる」程度の反応でないとダメでしょ。共産党のことを少しも勉強しないまま、「あんな政党は連立相手ではない」とか、「この政党とも候補者一本化しよう」とか、政治家が言ってはいけない。

 

 要するに、侵略された時は自衛隊を使うというのは、もう22年前に全国大会で決めた方針なのである。9条をガチガチに解釈する党員からの評判が悪いし、とりわけ安倍内閣で改憲が浮上して「9条は非軍事」「侵略されても非軍事で」みたいな宣伝をする中で、自衛隊を使うという方針を口にする幹部が誰もいない中で、党員さえそれが方針だと分かっていないけれど、当たり前のことを言ったに過ぎないのだ。

 

 では、専守防衛が方針なら、なぜ共産党の安保・防衛政策が立憲民主党との政権協議の障害になるのか。政権協議に際して、共産党は安保条約だけでなく、自衛隊に関する共産党の立場を留保し、野党に対して同調を求めないという態度を取るのか。それは、自衛隊を使うという方針は、政策とは言えるようなものではないからだ。政策ならば他の野党と一致点があるのだが、政策ではなく批判された際の言い訳というか、「こう答えておけばそれ以上は批判されない」という程度の位置付けにすぎないからである。

 

 そういうことも含めて、今回、志位さんが言ったことは、ずっと一貫している。私が「あれ?」と思ったのは、志位さんの報告の次の部分である。

 

 「(自衛隊廃止への)重要な第一歩は、安保法制を廃止して、海外派兵の自衛隊を、文字通りの専守防衛を任務とする自衛隊に改革することにあります。」(画像左下のぶぶん)

 

 共産党が「専守防衛」を肯定的な文脈で使用したのは、おそらく歴史上初めてのことだろう。自衛隊の改革ということでは、これまで軍備を縮小させるとか、自衛隊員に民主教育を施すなどのことは言ったことがあるが、自衛隊の任務として「専守防衛」ならOKみたいな言い方をしたことはない。

 

 これだったら、我が「自衛隊を活かす会」ともようやく共通点ができるかもしれない。今後に注目である。