はい、写真の通り、出来上がってきました。本日、各所に献本をしたところです。

 

 この本の帯、次のようになっています。

 

 「何千年もの戦争と同盟の歴史の中では、外国軍隊が常駐するのも、政治体制と価値観で結束するのも、第二次大戦後にあらわれた特有な現象だ。なぜそうなったのか、未来永劫続くものなのか、学習指導要領が求める「社会事象の多面的分析」の観点から日米安保条約を考察する。」

 

 私が安保条約のことを真剣に考えはじめた1970年代前半って、外国軍隊が常駐する体制というのは、きわめて歴史的に特異だという認識が社会にあったと思います。だって、この帯の言葉で書いてあるように、同盟というのは、ギリシャの都市国家や中国の春秋戦国時代から存在しており、戦時に軍事作戦を遂行するため同盟国の中に入ることはあっても、平時に駐留することはなかったからです。

 

 ところが、それからもう50年近く経っていて、いまの時代の人は、外国軍隊が常駐するのが同盟だと信じて疑わないようになっていると思うのです。現状が特殊だということを分かっていないと、未来永劫続くものだと思い込んでしまいがちです。

 

 そこをどう分かってもらうか。それがこの本の課題だったのですが、よくよく考えてみると、なぜ第二次大戦後の現在だけにそういう外国軍隊常駐体制ができたのかという論点は、最近、あまり見かけないですよね。

 

 だから、それなりに苦労しました。新しい論点や知見も得られると思います。すでにアマゾンで予約できますので、どうぞ。