やっと書き終わりました。基本的におさえるべきことはおさえて、あとは、言葉づかいとか間違い探しとか。

 

 第二次大戦前は、いまのように価値観や政治体制、イデオロギーで同盟するって、なかったんですよね。紀元前のギリシャの都市国家でもなかったし、中国の春秋戦国時代にもなかった。近現代になっても、露仏同盟って、帝政と共和制の同盟だし、敵であるはずのドイツも帝政だったから、政治体制で結束するならロシアとドイツが同盟するほうが自然だったわけです。さらには第二次大戦だって、アメリカ・イギリスとソ連が同盟して日独伊と戦ったわけです。

 

 それがなぜ、第二次大戦後になって、価値観やイデオロギーが同盟の理由になったのか。しかも、それまでの同盟と異なり、平時に外国軍隊を受け入れるという、これも何千年もなかったことが第二次大戦後に現実化したのか。

 

 これって、基本的なことだと思うのですが、これまであまり解き明かされてこなかったことだと感じます。今回の本は、そこを突き詰めたところに類書にない特徴があると自負しております。

 

 そんな新しいアプローチを中学生、高校生向けにやって大丈夫なんですか、と言われそうですね。でも、中高生向けに戦後の同盟のことを客観的に伝えなければならないと思った時、この手法しかないと思いつきました。世界史をなぞることにもなって、学習意欲にもつながるかもしれないし。

 

 ということで、あとは仕上げの作業に入ります。で、少し余裕が出てきたので、もう一つの本(『「異論の共存」戦略』)のあとがきにもとりかかります。