産経新聞の報道によるろ、ユネスコが決議を採択したことをふまえ、外務省の担当者は、「わが国はこれまで世界遺産委員会の決議・勧告を真摯に受け止め、約束した措置を含め、誠実に履行してきている。今後とも、わが国として決議・勧告を誠実に履行していく立場に変わりはない」とコメントしたとのことです。

 大事なのは、この「約束した措置」が徴用工展示室にどう反映されているのかということです。その約束した措置とは、昨日リブログした記事にあるように、「1940年代に……、その意思に反して連れて来られ、厳しい環境の下で働かされた多くの朝鮮半島出身者がいたこと、また第二次世界大戦中に日本政府としても徴用政策を実施していたことについて理解できるような措置を講じる」ということです。

 ところが、この産業遺産情報センターには、朝鮮人が「その意思に反して連れて来られ」たことも、「厳しい環境の下で働かされた」ことも、どこにも展示されていないのです。政府はもし約束を守っているとするなら、あのセンターのどの資料がそれに該当するのかを言うべきです。それが言えないところが、ユネスコが全会一致の決議をした理由でしょう。(続)