本日、核兵器禁止条約が発効するということで、たいへんうれしい。菅さんが連れない態度を述べる国会答弁を聞いていると、かえって意欲がわいてくる。核問題の本は二年に一冊は出しているような気がするけれど、今年は2冊。

 

 1つは、3年半ほど前に刊行した『核兵器禁止条約の意義と課題』の改訂版。著者は、原水爆禁止世界大会の起草委員長である冨田宏治さんである。

 

 核兵器禁止条約が国連の会議で可決されたのが17年7月だったけれど、8月6日には条約の日英対象まで資料として載せて書店に並べることができ。会議に参加していた方や、取材していた記者のご協力も得られて、超スピードでの制作だった。

 

 そんな本だから、当然、印刷数も多かったのだが、すでに在庫はない。条約が発効するという時代の進歩や、NPT会議のその後の議論などもふまえ、必要な補足や修正をしていただくことになっている。

 

 もう1つは、今月末の企画会議を通さないといけないのだけれど、昨年一年を通じて共同通信が配信した大型連載企画(メルトダウン〈溶解〉核秩序)を書籍化する予定である。著者は太田昌克さんで、最近は報道ステーションのコメンテーターもしておられて超有名になっているが、私はずっと以前から、彼の書いた核問題の本はすべて読んできた。

 

 今回の本も、ジャーナリストらしさがあふれているというか、新聞連載らしい特徴がある。何といっても、取材がしっかりとしていることである。

 

 米朝核交渉問題では、ボルトンさんにしっかりとインタビューしている。ボルトン回顧録にもないような中身が紹介されている。NPT会議の取材も綿密で、決裂した会議の直後では語れなかったことが、数年を経過して、会議の議長が明らかにしたりしている。取材対象と信頼関係を築いていないと、こんなことはできないだろうね。

 

 ということで、核兵器禁止条約の発効をきっかけにして、どんどん攻めていくべき時代を迎えている。それにふさわしい出版活動を展開していきたい。