1年前から自宅勤務に移行したので、時々、テレビで倉本聰さんの「やすらぎの刻」を見ていたんです。見ていない人のために簡単に紹介すると、テレビの有名業界人が入居する高級老人ホームでの出来事が一方で描かれ、他方で戦時中から現在までの山梨での家族史が描かれるという構成です。

 

 倉本さんはじめての一年続くドラマということで、飽きさせない面白さがありました。だから、それに生活を合わせるわけではないので見ない日もあったんですが、楽しく過ごしてきたんです。

 

 あれ、と思ったのは、2か月ほど前かな。山梨で仕事がなくて、北海道の炭鉱に行っていた人たちが、炭鉱の斜陽化で今度は福島の原発で仕事を見つける。めでたしめでたしという話になっていた。

 

 これは、ドラマの最後は3.11の話になるのだと推測できたので、あわてて倉本さんにお手紙を書いて、あることをお願いしました。まだお返事はないんですが、本日、やはり9年前の出来事が描かれていました。

 

 乾坤一擲という言葉がありますが、これは福島を過去のものにしようとする動きに対する、倉本さんの最後の大勝負ですね。もう85歳になられたということですが、尊敬します。お返事をお待ちしておりますので、よろしくお願いします。