共産党の大会が始まった。このブログでも書いてきたように、中国を「社会主義をめざす国」としてきた規定を削除するというのが大会の眼目であり、どういう議論がされるのか注目している。

 

 実際に全文が公表されないと正確に伝わってこないのかもしれないけれど、本日の「赤旗」を見る限り、??という部分もあるようだ。いくつもあるけれど、本日は一つだけ。

 

 この問題ではかなりの人から意見が寄せられたみたいで、志位さんの報告では、「全党討論で出された疑問、質問について」と題する特別の一項が設けられている。その中で、こんな見出しがあった。

 

 「「中国はどういう経済体制とみているか」──内政問題であり判断を公にしない」

 

 「社会主義をめざす国」ではないと判断するわけだから、じゃあどういう経済体制なんだということは、誰もが疑問を持つことだろう。わたしも、資本主義か封建制か、どう言うんだろうと注目していた。これは、しかし、何と言ったらいいのか。

 

 中国共産党がどういう経済体制をめざすのかというなら、それは内政問題だと言えるだろう。社会主義をめざそうが資本主義をめざそうが、紛れもない内政問題だ。それを日本側がどう評価するかは別問題だろうけれど。

 

 しかし、中国の現在の経済体制がどんなものかについて、外部からどう評価するのか、資本主義とみるのか、過渡期とみるのかなどまで「内政問題」とは言えないだろう。だって、そもそも、外部からの評価なのだから。

 

 これまで書いてきたように、これまでは、中国を「社会主義国だ」とする評価を書いても、共産党内の発行物では「社会主義をめざす国だ」と変更させられてきたわけだ。それにくわえ、今後は、「中国の経済体制はこうだ」と書くと、どんなものであっても「それは内政干渉だ」となって、掲載しないことになるのだろうか。

 

 いや、ふつうの政党なら、そういうこともあるだろう。だって、他国の経済体制が社会主義か資本主義かなんて、ほとんど関心の外だろうから。

 

 しかし、共産党は、資本主義の経済体制を打倒し、社会主義をめざす党である。その党が、ある国の経済体制について、資本主義か社会主義かを判断するのは、あまりにも当然ではないか。何が資本主義で何が社会主義か判断する基準が分からないというなら、判断もできないだろうけれど、まさかそんなはずはなかろう。

 

 いや、「公にしない」という言い方は、判断はするけれど外には出さないという意味かもしれない。けれども、そんなことを言いだせば、アメリカが資本主義かどうかだって、「内政問題であり判断を公にしない」ということにならないか。

 

 それとも中国とアメリカでは、判断の基準が違うのか。それって、まだ中国=社会主義論にこだわっているということなのだろうか。

 

 まあ、全文が出るのを、静かに待っていよう。それしかない。