<今日の表紙>まだまだ梅雨になれない昨朝の綺麗なパノラマ

昨朝は淡い朝焼けから始まりました。

 

最近やっと読み終えた伊集院静の本3冊です。

4月中旬から5月中旬まではエッセイ「大人の流儀シリーズ」7冊を読みました。

その後読んだ本は、初めに小説「羊の日」そして、エッセイ「ねむりねこ」、最後は推理小説「星月夜(ほしづきよ)」です。

 

全て再読ですがもう12年以上前に購入した本ですのですっかり忘れていました。

 

小説には伊集院静独特の人生観が漂って自分の人生を投影してるような場面もありました。

 

エッセイを読むとよく生きてこれたなと思うことも多くあり僕たちの時代を感じることも多い内容でした。

 

では、それぞれに印象に残った部分をどうぞ。

 

「羊の目」は闇社会を描いた小説です。

 

実の親よりも、ヤクザ社会で出逢い、結ばれた親に絶対的な価値観を見出し、これを遵守して生をまっとうする。これがギャングにもマフィアにもないヤクザだけが持つ彼らの原理なのである。この本源的なものが存在する限り、社会がどう批判し、糾弾しても、彼らの存在を根絶することはできないのだ。」

 

「ねむりねこ」は色々なテーマでの伊集院静の考え方ややってきたことがわかりやすく書かれています。

 

「本当に世話になった人にはお礼を返すことできないように出来ているのが、この世の中ではないかと思う。いい例が自分たちの親だ。大半の人は、親に世話になりっぱなしで死別してしまう。大半の子供が、それを悔んだまま、大人の顔をして生きている。そうであるなら、悔みがあることが、人生なのではないか。“悔み”の周辺に生の肝心があるような気がする。何もかも上手くいった人、何もかも与えられ、手にした人は、結局、生きる上での肝心に触れていないのではないか。・・・・・誰かから受けた親切は、その人が違う誰かにそう出来ればいいのではないか。」

 

「星月夜」は関係のない老人と若い女性が東京湾でくくられて遺体で発見されたことの謎を解き明かす刑事小説です。

 

殺された老人のお墓があるお寺の和尚のことばです。

 

和尚は笑った。「病気であれ、事故であれ、人は寿命で死ぬ。それを忘れんことだ。必要以上に悲しむことはつまらぬことだ」

和尚のその言葉が由紀子(亡くなった老人の孫娘)の気持ちをやわらげてくれた。

 

昨年11月に伊集院静は73歳で亡くなりました。今の僕の歳です。

 

サントリーの新聞広告で、新成人や新社会人に送ることばを毎年載せていました。

 

お酒が好きな人でした。

 

哀愁の昭和平成漂わせ波瀾万丈伊集院静

 

伊集院静でお別れします。

流石に物書きでしたので雑学ほか人生を彩るいろいろなことをよく知っている人でした。合掌