今年の夏は今までで一番短い夏だった。

ほとんどが雨で、例年の肌を刺すような日差しを浴びる日は数えるほどだった。

大学に向かう快速列車の中、窓を開けると日差しは夏でも9月の中ごろにもなると風は秋の装いで、あまりにも心地よかった。

列車の中で最近よく自分の住んでいる県の事を考えている。全国的な知名度はほとんど下位である我が県。そして我が街。

一応、地域特産の食肉は全国的にも世界的にも有名であるのだが、そのブランドを活かした地域の活性化はどうも苦手なようで、そのことは非常に残念である。

駅について列車をおり、少し古めかしいホームを歩き駅前出口へ向かう。商店街は相変わらず閑散としており、行き交う車はただの通り道としてしか見ていないようだ。

大学へはここからバスに乗り向かう。

昔は今よりもう少し賑やかだったが、それというのも駅前にデパートがあったからだ。決して有名ではなかったが地域に根付いていた。それが時代の流れか郊外型の大型スーパーや大手デパートとの競合に負け撤退を余儀なくされた。

到着したバスに乗り込み、以前デパートが建っていた場所を眺める。今はただの駐車場になっているだけだった。この商店街が賑わうのも今では祭りのとき以外はほとんどない。

しかし、それでも俺はこの商店街が好きだ。

なによりも時間が他の場所よりもゆっくりと流れている気がするからだ。