『ゆさぶりの松尾』 第129報・・・
森の中で・今思うこと・・・
耳を澄ませながら森を歩くと、時間も空間も遠くに広がってゆく。木々の間から聞こえる鳥のさえずりは、心の底に眠っていた幼き時の記憶を呼び覚ます。
野球の上手だったサウスポーの近光の高ちゃん、木登りのうまかった名人吉原の栄ちゃん、神楽のまねをして上手に踊った瀬尾の一ちゃん、雪そりまで作って見せた工作上手な貞末の豊ちゃん、そしてみんなをうまくまとめたコマ回しの名人高田の諄ちゃん。
そんな仲間が山をかけめくり自然のふところの中で育った仲間だった。
あれから70有余年、ほとんどの仲間が鬼籍に入り、残されたものは指折り数える程になった。森を静かに歩くと、仲間・はらからへのあこがれ、記憶を呼び覚ます。
なんと昔はよかったものだ・・・。死者の哀悼と共に古をかみしめてやまない今日この頃である。