【53】
2010(H22)年の話です
隣町の役所の介護福祉課
そこで
担当の方に ご相談しながら
お話をお聞きしていた時
" 出入口の全く無い
四角いコンクリートの箱の中にいる "
そう思っていた自分のその場所は
実は
全面に 扉が いっぱいある部屋だった
方法、手段は たくさんある…
そう気づいた
出口が見つからない…
進む先が見えない…
そんな
じりじりとした思いでいたけれど
扉があるってことは
開けさえすれば その先に進めるってこと
いっぱい(扉が)あるってことは
進める先も いっぱいある ってこと
そう気づけたこと
それは大きな 活力 になった
あとは
開ければ良いのよね
自分で
その時
はっきりとした形となって
なにか変化が起こった訳ではないけれど
なんだか
すこーんと 抜けて
進む その先が はっきり見えた気がした
その日
私は
きっと
晴れ晴れとした顔を していたのかもしれない
帰宅した私の顔を見て
夫が言った
「脱皮したみたいだねぇ」
長い介護の生活
その中で
私は
こんな感じ(脱皮?)を何度も経験している
・新しい事業所に移る
・ケアマネージャーを かえる
・特養老人ホームへの入所
・両親を自宅に引き取る…
どれか一つでも進められたら…
そんな思いで
あっちにも こっちにも動いていたけれど
どうも
気持ちも力も 分散気味な気がしていた
父と母を自宅に引き取る
そのことも
紙おむつを4枚もあてられて
長い時間 放置されている母のことを考えると
引き取りたい気持ちは強くあったけれど
専門機関に相談を重ねて
いざ具体的なことを考える段になると
十分に
受け入れ体制を整えてからでないと
現実的でないことが よくわかった上
すぐに受け入れ体制を整える
それが
とても難しいことなのだ ということも理解した
それに
私の自宅と言えど
両親にしてみたら
全く馴染みのない 見知らぬ家
果たして
引き取ること
それが
両親にとって良いことなのか どうか…
自分の都合を優先しているだけ ではないのか…
そんな思いも ずっとあった
今の事業所をやめて 別の事業所に移る
やはり
これに注力するべきだね…
そのためには
まず
相談できる
ケアマネージャーさんを 見つけないと!
隣町の役所の高齢福祉課
そこに電話をしてみると
↓↓
「3つの市町村までカバーしている
認知症専門のケアマネージャーさんがいる
事業所がありますよ
おすすめは
A事業所とO事業所ですね」
早速
教えて頂いた 2ヶ所の事業所に電話をすると
どちらのケアマネージャーさんとも
お会いできることになった
父と母が
その頃
お世話になっていた事業所のケアマネさんが
" 介護保険の住宅改修費を使って
公道を
舗装する手続きを進めようとしていた件 " は
そのごり押しのようなやり方に
役所や福祉会、村までをも巻き込んで
大騒ぎになったけれど
区長さんから聞いた話では
結局
事業所側は
「全く知らなかった
ケアマネが勝手に進めていた話」
終始一貫
そんな態度だったのだという
問題の坂道は
役所が
生活道路としてくれたことで
役所側の改修工事として舗装する ことが決まり
私としては それで良し
ケアマネさんの件も 事業所のことも
それ以上 深く探ろうとは思わなかった
舗装工事の立ち会い等も済ませ
工事の日程も決まり
これで ひと安心…
そう思っていたのだけれど
事業所からは
その舗装工事の間
坂道が使えず 車は通れないので
デイサービスもヘルパーさんもお休みです
介護サービスは なし
そんな連絡がきた
ちょっと ちょっと
それ
蜂の巣の時と同じこと言ってません?
一日では とても終わりそうにない舗装工事
なのに
父と母が困ることをわかった上で
「デイサービスも
ヘルパーさんもお休みです」
そう平然と言う事業所
毎回毎回
申し訳ないとは思いながらも
区長さんに相談したところ
事業所に かけあってくださって
舗装工事の期間中
父と母は
ショートステイが利用できることになった
あぁ
良かった…
ありがとうございます!
けれど…
ほっとしたのもつかの間
「お父さんに
お酒を買い与えるのを やめてもらえますか?
やめてもらえないと
ショートステイは 利用できません」
事業所からは
そんな連絡がきた
え?
なに?
どういうこと?
はぁ…
今度は なんだろ?
坂道の舗装
蜂の巣騒ぎ
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