生誕120年  宮脇 綾子の芸術
見た、切った、貼った
Miyawaki Ayako
Retrospective :
I saw、
I cut、
I applied 

2025(令和7)年 1.25 sat ー3.16 sun
月曜休館
10 : 00 ~ 18 : 00
一般 ¥1.300





◆東京ステーションギャラリー
TOKYO STATION GALLERY
東京駅 丸の内北口改札を出て すぐ
JR東京駅 丸の内北口ドーム内






見たかった展示会
待ちわびていた

会場も
東京駅の丸の内北口改札を出た すぐ前にある
ギャラリーだから 迷子になりがちな私にも
わかりやすくて ありがたかった



出品リストは
chapter 1~8
階をかえ展示室をかえて No.153 まで

会場内の写真撮影は禁止
メモをとる際 ボールペンは❌ 鉛筆のみ使用可
(会場に鉛筆の用意がありますよ)
館内順路は 3Fから2Fへ






宮脇さんが

面白い…

そう 関心を寄せた対象を
深く細かく 
時間をかけて 
とことん観察することから 作品作りは始まる


古布、糸、レース、紐 、網、紙、ビーズ、革、
ニット、フェルト?、洗いざらしのタオル、
ストーブの芯、枯れた草、柔道着、
コーヒーのフィルター、酒袋…
水引(みずひき)や経木(きょうぎ)もあったかな?


多種多様...
そして多彩な素材に驚く

膨大な量の それらの中から
その対象に合った
対象を対象以上に表現できうる素材を選び
切る、貼る、縫う、編む…
さまざまな手法で 仕上げている

当然
柄の古布も使われているのだけれど
不自然さなど 全くなく 
違和感なく とけこんでいる

どんな作品の
どんなところに
どんな素材を用いるのか

その構想の妙(みょう)

発想の自由さと大胆さ...


アジアンチックな 白菜 や パイナップル
エキゾチックな断面の
かぼちゃ に トマト に 冬瓜(とうがん)…
カラフルに跳ねる 伊勢えび
シックな装いの 車えび…


でもむしろ 彼らは

こっちの方がいい

そう言っているように聞こえた


書いたり塗ったりすることに比べたら
切ったり貼ったりすることでは
はるかに表現しにくいであろう対象物…
仕上げる上でも
多くの不自由さ があったのではないかなぁ
そんな気もするのだけれど

いやいや
書いたり塗ったりしただけでは表せない
描く以上の姿となって

温かな命を ふきこまれて
どの作品も 
とっても愉快そうに…
ふっくらと笑っているように見えた


ちりめんの皺(しわ)
布の汚れや しみ、よれ、古さ…
そういったものまでもが
作品の中で
生き生きと
特徴的な存在感を表している


宮脇さんの頭の中には
きっと
溢れてくるんだろうな
色々なものが…

そして…
それは 涸(か)れることが なかったんだろうな


それにしても…
もの凄いエネルギーだ

近くに寄ってみると
どの作品も
その細くて細かな
丁寧で几帳面なステッチに息をのむばかり




《 散歩道で見つけた草 》

わ…
その繊細さに声が出た

草の穂は編んである

白く細い紐の茎…
細長い葉の折れ具合が見事…

花瓶に さした野の草が
まるでそこに あるような

美しい作品だ





圧巻は
と言っても
・木綿縞乾柿型集 全15巻 ❗
・縞魚型文様集 全22巻 ❗




膨大な量
気が遠くなるほどの時間…



captionより


それぞれに 1万ずつの魚と干柿が貼り付けられているのだ。

新しく布が手に入るたびに、小さな魚と干柿をひとつずつ切り抜き、それが一定数集まると

画帖(がじょう)に貼り付けていったものだ。

※絵を集めて とじたもの


何年もかけて 地道に作業を積み重ねるという点では、19年間にわたって 全70巻もつくられた

「はりえ日記」 にも匹敵する偉業であり、生活の傍(かたわ)ら、こつこつと制作を続けた宮脇の

生涯そのものを象徴しているようにも思える。


この「はりえ日記」が…
日記な…の…?っていう位
文字の美しい
写実的で とても芸術的な " 作品 " でした




違いは そのものが持つ 個性

違いは もちろんなんだけど

人って…

(かたよ)があっても 良いんじゃないかなぁ



そんな風に思いました





captionより


この世の中に 廃物は なんにもない

私は いつも 思っています。


とりあげた布の柄が 思わぬところに

思わぬ効果を出す面白さに つられ

一気に仕上げる


モデルと布と私の気持ちが 一体となったときは

最高の喜びです。





ありがとうございました