※15年前の話です


 
【成年後見制度の手続きは必要 】
とする立場の
郵便局や農協 銀行などの金融機関と
 
【それは余計なことだ】
と言い
手続きに必要な書類を
保留扱い にしている かかりつけ医

相反(あいはん)する形で
堂々巡りのまま 
先に進むことができなくなっていた 
ある日
 
父と母の
成年後見制度の手続きを
どう扱うのか
話し合いをすることになった

*施設長 ♂
*かかりつけ医♂
*ケアマネKさん♀
*私(長女)と夫
*私の弟(長男)と その奥さん(長男の妻)→Wさん

 
前の晩
弟からは
 
明日は もめるよ
成年後見制度に賛成する人は誰もいないよ
 
メールがきていたので
 
私自身は
成年後見制度の手続きは しない
と決めていたその旨を
メールで返しておいた
 
手続きしないんだから
別段
もめる原因も無いだろうと
あまり気にもしていなかったのだけれど…

 
集まった皆の前で
例によって
かかりつけ医が
以前 
私に言ったことをそのまま繰り返す
 
 
おじいちゃん
世間体を気にして
自分が不安なので安心したいために
サービスに依存している人がいる
多分 私のことを言っている
 
成年後見制度は 前例がない
成年後見制度に賛成する人は 誰もいない
 
おじぃちゃん(父) おばぁちゃん(母)は
今 なんの問題もない
 
まわりがお節介をして やり過ぎてはいけない

おじぃちゃん(父)がお金をおろしに行った時
銀行がお金を渡してくれる
そういう関係ができていたら
(成年後見制度などなくても) 済む話
 
おじぃちゃん(父)がバイクで事故を起こしても
家族は文句を言わないこと
 
事故を起こしてはいけない 
と 言ったら生きていけない
 
動物としての事故に 
家族は我慢しないといけない
 
事故が起こったら起こった時
そう覚悟する
 
医者がしている世話に対して
家族は一切 口を出さないことだ
 
人間が死ぬのは当たり前のこと
 
訪問介護をしていれば
どこで死んでも事件になることはない
 
事故を起こす人 お金をなくす人
世の中には沢山いる
 
 
 
その日は
会った時から

弟の奥さん(Wさん)の様子が変だな…

ちょっと気には なっていたのだけれど


医者の話が途切れたところで
Wさんが
いきなり
話し始めた

かなり興奮している


 
 お母さん
成年後見制度の話を 私は聞いてない

勝手に やるとか やめるとか
振り回さないで欲しい

私は友達にメールする時間もない💢
 
自分の親のことでもないのに
私だけ こんな大変な思いをするのはおかしい💢

嫁だから
しなくちゃいけないというのもおかしい💢

私は おじいちゃん達のことを忘れて暮らしたい

お姉さん(私のこと)がいると
おじいちゃんは甘える

おじいちゃん(父のこと)には
もっと我慢させた方がいい

おばあちゃん(母のこと)のことは好きだけど
おじいちゃんは嫌い

お金のことも
自分の実家は どんぶり勘定でやっている

(自分の)母親は
(自分の)おばあちゃんのお金を
好きなように使って
親のお金で家を直したりしていた
 
だから
お姉さんに
「領収書をとっておいて」 と言われても
いちいち
そんな面倒くさいことは できないし 嫌(いや)

親のお金は子供のお金なんだから
おじいちゃんのお金で
温泉でも行ったら どうですか?
お姉さんは娘なんだから。

叔父さんや叔母さん(父や母の兄弟のこと)にも
指図されて振り回されたくない


余計な口を出すな💢

おまえっ💢

おまえがいけないんだ💢
 
自分の夫(弟のこと)を お前 呼ばわりし
途中からは
泣くわ わめくわ
部屋のパイプ椅子を投げつけるわで
手がつけられなくなった


成年後見制度をどうするかの話し合い
なんて
どっかに飛んでっちゃったわよ



暴れて
ぜぇぜぇして
息が苦しくなってきた Wさんは
弟に連れられて
部屋を出て
そのまま帰ってしまった





 
なに?

なんなの これ


これを見せられるために
今日 
高速使ってわざわざ来たの?
(往復350km)
 

郵便局からは
親族(弟)の同意書 があると
手続きがスムーズになるから
もらえたらもらっておいてね
って
言われていたけれど
同意書どころの話じゃないよ…



もう 無理だ

 
 
結局
なんの話し合いもできず
なにも決まらないまま
私たちも帰るしかなくなった
 
 
 

 
その晩

弟から メールが届く


絶縁するわ

 
絶縁したから

もう 関係ないよ




だってさ
 
 




Caption 


窓から見えた

夕方の ひこうき雲