私の師匠の欧陽敏師母は百四歳まで生きたので、私の師匠は百年前の中国人であると言えるだろう

百年前の中国人から武術を学ぶということを全く理解できない日本人がほとんどであるに違いない

基礎訓練から始まって高度な空勁に至るまでの

一回三時間半に及ぶ練習では、私は気を抜くことは許されなかった。何故なら、私が唯一の日本人であって私が日本人の代表であるという自覚が私にはあったからである。私は週に七日の訓練を

していたから、週一回の訓練をする者よりは七倍

の速さで、七倍の量の練習ができていたことになる。百年前の師匠がこれを喜ばないはずが無い。かくて私は仲間外れになっていた自分を道場筆頭に押し上げていたのだった。あの言語に絶する

訓練を振り返って見ると、後悔や苦しかった想い出が無い。全てが楽しかった。実際には百年前の師匠に罵倒され、叩かれて、みんなの面前で怒鳴られてはいたのであるが。百年前の師匠は厳しかったが素晴らしい師匠でもあった。もう一度するか?と問われたら、もちろんYes! と答える。