(つづき)
私の大学時代の友人で県外に住む方も、心配して電話をかけてこられました。でもたった二人。お一人は、同じ県内に住む方で被災されまた方で、もう一人は大阪に住む方でございました。二十人以上いる大学のサークル仲間で、たった二人とは、世の無常をお感じ申し上げます。
地震から半年ぐらいで、壊れた家の解体工事が始まりだしました。そのため解体工事屋さんの価格が跳ね上がり、大繁盛して大儲けいたしましたことを申し上げます。その会社は、家族全員でハワイ旅行に社長が招待したとのことでございます。
また隣の都市では、地震前に大型公共工事を予定しておりましたが、復興が優先であると市民の声が上がり、市長さんも頭を抱えておられました。しかしながら大きな政治的圧力には逆らえず、その工事は予定通りに行われることとなりました。壊れた城の石垣をよそ眼に大きなビルの建設が進められているのでございます。
最後に地震より二年近く経ちますのに、マスコミ等は地震関連の話題を取り上げております。よほど取材のネタに困っているのか、はたまた簡単にネタが取れるので使っているのか、私どもにはわかりません。いい加減に地震ネタはた辞めてほしいと思います。いつまでも過去を引きずっては成長はございません。そのことを考えてもらいたいと思い、筆をとらせていただきました。
(おわり)
追伸
言い忘れました。地震があったらまず水が出るうちは、すぐに風呂の水を貯めることです。マンションなどに高架の水槽がある場合は、しばらくは水が出ます。本文中にあったように、いちばん困るのは、トイレの水ですから。
解説
地震の体験者ならではのことを書きました。悲惨さや家族のことを、真面目に書く方もおられますが、ここは私流のペーソスを入れて書きました。皆様方の参考になれば幸いです。