朝を迎え、ゴスペルは生きてきた中で初めての徹夜を経験した。全く寝れなかった形跡は目の下にも表れていた。
「光って強いの?」
アヤがクラリスへ聞く。
「使いこなせばどんなバルスでも強いわ。だけど光と戦えるのは闇だけ。闇と戦えるのは光だけ」
「次元が違うのね」
「そうね」
「で、どうなんだ?」
「間違いなく光ね…すぐにでも力を使えるようになるわ。本当に測定っていうのは型にはまったことしかしないのよね!本当にバカなんだから」
「世界のルールに文句言うなよ…」
「なら今すぐにでも武器作ろうぜ」
「武器なんているんですか?」
「オリハルコンって聞いたことあるか?」
「??いえ…」
「世界で1番丈夫、かつ1番軽く柔軟な金属だ」
「俺たちみたいにバルスを戦闘用に使うと、ロスが出る。そこを…」
「増幅させつつ効率よくエネルギーに転換するのがオリハルコンだ」
「ただすごく貴重な金属だから全員使える訳じゃない」
「それをお前用に鍛えてやろうと思ってな」
「カストレは1流の職人なんだ…」
「じゃあお願いします」
「了解だ。どんなのがいいんだ?剣か?銃か?」
「皆さんはどんな?」
「俺は長刀だ」
「俺は槍だな!」
「私はこの羽衣ね」
「羽衣!?どうやって使うんですか?」
「これにはオリハルコン性の糸が混ざってるの。だから斬れるし、弾けるし」
「全くわからん…」
「見ればわかるわよ!」
(カッコいいなぁアヤさん…)
カストレの工房にゴスペルもついて行った。
2人だけの空間でカストレが口を開く。
「アヤに惚れたのか?」
「!!な、なに言ってんですか!」
「まぁ顔もスタイルも並み以上。そのうえ強くてあの性格なら惚れない男はいないさ」
「カストレさんも…?」
「ハハハ!俺にはクラリスがいるんだ」
「そうですね」
「まぁアヤに惚れるのは無駄だろうけどな」
「!?」
「恋愛に絶対はないしハナからこういうこと言うのは気が引けるんだが…アヤには想い人がいるからな」
「…そうなんですか」
「誰かは聞かないんだな」
「ええ…」
「偉いな。男ならやっぱこうじゃないと」
「恋愛というより、憧れみたいなもんですから」
「…話を変えるぞ。で、どんな武器が良いんだ?」
「僕は…グローブとブーツがいいです。2つはダメですかね…?」
「それくらいならいいけど…なんで?」
「光なら…速く動けるかな…って」
「なるほど…。光の速さで動くならブーツタイプは効率がいい」
「グローブはパンチのときとかいいかなと思って。格闘技も習ってましたし…」
「速さとは重さだ。同じパンチでも速ければ速いほど強力だ。それが光ともなればなおさらだ。世界で1番速いパンチを打てるわけだ。グローブもいい判断だ。よし!決まりだ!作るから皆と待っててくれ」
「わかりました」
「武器できるまで爺のとこでも行くか」
「そうだな腹減ったし!」
「爺?」
「元気な爺さんだ。近くで飯屋と酒場と宿屋やってんだ。情報収集の達人で情報をくれるんだ」
「行こう?王子!」
「やめてくださいよ…」