(再)政府は言った事が無いのに「年金100年安心」という曲解された害悪な言葉と真相。 | 年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座

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知れば知るほど奥深い年金制度!
僕も日々勉強ですが、一人でも多くの方に年金の事を知って欲しいと思います。
年金は…正確に書くように努めてはいますが、少しでも年金の事を知っていただければ幸いであります。
一緒に年金について考えてみませんか?

こんばんは!

年金アドバイザーのhirokiです。
 
明日の誕生日で44歳になるのですが、もう誕生日ってあんまり嬉しくはないですね^^;
まあ年金で考えると誕生日の前日に既に新しい年齢になってるんですけどね(笑)職業病だわ…
 
とにかく健康こそ最も重要な財産であり、それをひしひしと感じます。
 
健康を犠牲にしてまでお金を得ようとする人もいますが、いったいそれに何の価値があるのかって思います。
どん底に落ちても健康さえあれば何とかなるけど、その逆は無いです。
 
 
12月20水曜日の20時の有料メルマガご案内です。

「第325号.遺族年金総合事例4つ」

1.遺族基礎年金
2.遺族厚生年金
3.労災年金と遺族年金
4.行方不明と遺族年金
 
…で、それぞれ事例を見ていきます。


・事例と仕組みから学ぶ公的年金講座(月額770円税込み毎週水曜日20時にメルマガ発行)
途中で登録されてもその月の発行分はすべてお読みいただけます。https://www.mag2.com/m/0001680886

 

 

 

12月6日に第323号.父母が子の死亡による遺族年金を受給する場合の同居時と別居時の違いと、子が認知された場合。を発行しました。
 
12月13日に「第324号.障害年金総合事例2つ」を発行しました。
 
12月15日20時に号外.「 厚年加入を促進したり、国年保険料を60歳から65歳まで延長しようとする本当の目的と若い人の貧困の回避」を発行しました。
 
(月の途中で登録された場合は既に発行した記事が即座に届きます)
 
では本題です。
今日のブログ記事は去年書いた記事の少し書き足したものです。
 
 

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1.年金を批判されるためだけに利用され続ける「100年安心」という曲解された言葉はどこから出たのか。
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今から18年前の年金改正過ぎたくらいから激しく批判されるようになった事があります。
 
それは「年金は100年間安心というのはウソだったのか?!」という事ですね。
 
よく野党辺りが与党を追及する時に使っていた言葉です。
 
 
その言葉が国民にも浸透していき、年金の改正があるたびに「100年安心だというのはウソだったのか!」と批判の対象になります。
この言葉から、年金はもう破綻してるとか年金はもう貰えなくなるみたいな話に発展していく。
 
まさに年金不安を煽るためだけに存在してるだけの有害でしかない言葉が「100年安心」。
 
この言葉がどこかで使われるたびに、まだそんな無知な事言ってんのか…とウンザリしてしまいます。
 
 
そういえばこの間の国民年金保険料加入期間を40年から45年に延ばすという話の時も、年金が持たなくなってきてるからとかいう憶測が飛び交いました。
年金は今の仕組みでは破綻しないのでご安心を。
 
こういう話題が出るとね、「昔、政府は年金が100年安心だと言ったのに許せない!」とか必ず湧いてくるのが100年安心がどうのこうの言ってくる人達^^;
 
 
いやもうなんていうか未だにこの言葉言ってる人達は愚かですね…
 
 
結論から言うと、「年金が100年安心です」なんて事は当時の政府も言っていないし、その後も政府はそんな大盤振る舞いな事言っていません。
そんな事言ってた記憶あります?ないでしょ?
 
まあ、言ってるのはせいぜい野党側のみではなかったでしょうか。
与党側で年金は100年安心になってますが…のような類の話は聞いたことありませんよね。
 
年金はそんな単純なものではなく、世界情勢もいつどうなるかさえわからないのが当然なのにわざわざ政府がそんな大見得を切るような事言うわけない。
 
言ったらそれはまさに「失言」でしかない。
 
 
でも、火の無いところに煙は立たないわけで、じゃあどっからそんな100年安心ですなんて言葉が始まり、それが今も批判の常套句として使われ続けているのか。
 
 
この「100年安心」とかいう言葉は政府が一言も言ってなくて、今の今まで言った事もない言葉がどうして発生してしまったのか。
 
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2.政府は言った事がない100年安心。
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それは平成15年11月の総選挙時に、公明党の議員がうっかり100年安心という言葉を使ってしまったから、一斉にマスコミやら野党が飛び付いたわけですね。
 
当時、舛添要一さんが当時の厚生労働大臣の時に旧民主党議員から執拗に「100年安心」という言葉で追及されました。
 
野党にとっては最高の批判ネタになったわけです。
 
 
だから、舛添さんがその時にそれは一体誰が使った言葉なのかと、公文書の調査などで徹底的に出所を調べた結果、先ほどの公明党議員が選挙の際ウッカリそのような発言をしたという事が判明しました。
 
なのでハッキリと平成21年3月31日の衆議院本会議で「政府は100年安心とうたった事はございません」と答弁されました。
 
よって、政府は誰もそんな「年金は改正しなくても100年安心です」なんて一言も言った過去がありません。
 
ちなみに僕は政府の回し者でも何でもないですが、事実を申し上げてるだけです。
 
 
何でもそうですが、その情報が一体どこから出たものなのかという一次情報を把握する事は本当に大切です。
 
誰かから又聞きした、そんな噂がある…とかいう話を簡単に信じちゃいけませんよ。
 
そんな事を簡単に信じる人は簡単に騙されます。
 
 
散々、マスコミや野党関係者が「年金100年安心はウソだったのか」という事を言ってきたがために、多くの人がその100年あんしんとかいう言葉を聞いた事が無い人はほぼ居ないかもしれません。
 
でも、政府が「100年安心」を肯定したところを見た事はあったでしょうか。
政府から積極的に100年安心とかいう話を聞いた事は無いですよね。
 
少なくとも僕はこの10年以上見たことも聞いた事も無いですね。
野党やらマスコミはよく使ってましたが。
 
 
そう。
政府がこんな事を言えるわけがないし、言った事もない。
 
言った事無いのに、そんな事問いただされても「何の話よ!?」って思いますよ。
 
 
そもそも100年安心のネタとなった平成16年の年金大改正はそういうものじゃなかったから。

 

 

もうね、100年安心ガ~とかいう話を聞くたびにウンザリですよ。

 

 

当の昔に、政府は一言も言ってない事が当時の徹底的な調査で判明してるんだから、未だに100年安心がどうのこうの言ってる人は何も信頼に値しない。

 

年金って面倒くさいなあ…と思う所は、権威ある人たちが本質とは関係ない事で議論を行い、それに多くの人々が翻弄されてしまう。

だから、まずそのような誤解を解くところから始まるのがしんどいところです。

 

例えば年金は積立にすれば人口減少に影響がないとか、年金積立金が無くなると年金が貰えなくなるとか、バランスシートでは赤字だとか、未納者が4割で破綻してるとか…etc

100年安心も本当にバカバカしい誤解で振り回してくれます。

 

 

まるで変な新興宗教に洗脳された人を、まず普通の感覚に戻さなければならない事に時間を取られ、本当に必要な事が後回しにされてしまう。

他の社会保険はそこまでないのに、年金に関してはこういう話題に事欠かない。

 

まず年金は保険という所から認識してもらう必要があるのだろう。

 

100年安心と曲解された平成16年改正は、今の若い人の将来の年金の給付水準を高めようとするために必要で重大な意味があるのにくだらない批判に時間を取られる。

 

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3.平成16年改正から始まった5年ごとの100年後まで見据えた点検。

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年金は5年に一度財政検証という点検を行います。

 

前回が2019年だったので、来年2024年が財政検証の年になります。

 

平成16年改正以降から5年ごとに最新の数値の高齢化率や少子化率、経済状況などを用いて今後100年間に財政が均衡するかどうかを検証しています。

収入である保険料+国庫負担+積立金が、支出である年金給付と均衡するかどうかですね。

 

 

5年ごとにそれを検証するわけですが、今の状況であれば今後100年の収支は均衡する見込みとなったとしても、将来はどうなるかわからないので5年ごとに年金財政をチェックしていこうとするのが財政検証です。

 

平成16年改正の時に「これから5年ごとに向こう100年間も想定しながら年金の財政チェックやっていきますよ。もし問題があったらその都度対処していきますよ」って話だったのが、「もう今後何も改正しなくても年金は100年安心だよー」みたいに曲解されてしまった。

 

 

人間で例えるなら、今の健康診断ではそれほど問題はないけどもずっとそれが続く保証はないですよね。

5年後はどうなってるかわからないので、健康診断をして体の健康チェックをします。

 

それと同じで、5年ごとに年金の健康診断をするのが財政検証であり、その時に今の状況において向こう100年間も見据えながら年金収入(保険料+国庫負担+積立金)と支出である年金給付が均衡するのかを検証していくのであります。

 

将来はこうなる!っていう予測ではなく、今の状況で考えると今後100年間はこんな感じっていう投影(将来への影響)ですね。

 

未来なんてどんな手を使ってもわからないのでですね。

例えば今から100年前なんて医療保険も社会保険の年金もなかった1923年(大正12年)当時に、2023年のこんな便利な時代になるとは誰もわかんなかったでしょうし。

 

 

では本日はこの辺で。

(12月以降の予定)

12月20日の第325号.遺族年金総合事例4つ

12月27日の第326号.老齢の年金総合事例4つ

1月3日の第327号.従来の年金制度の遺族年金受給とカラ期間、そして老後までの年金事例。

1月10日の第328号.今の新しい障害年金と昔の制度の障害年金受給者の年金記録の違いと事例比較(重要)。

1月17日の第329号. 老齢の年金の源泉徴収と還付申告時の税金計算と、社会保険料天引き時の半額ルール。


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