前年所得が上下していた場合、社会保険料の8月年金天引き額が変わってたりする(再)。 | 年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座

年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座

知れば知るほど奥深い年金制度!
僕も日々勉強ですが、一人でも多くの方に年金の事を知って欲しいと思います。
年金は…正確に書くように努めてはいますが、少しでも年金の事を知っていただければ幸いであります。
一緒に年金について考えてみませんか?

こんにちは!

年金アドバイザーのhirokiです!
今日も過去記事のやや再投稿記事です(この辺は大体いう事決まってるからですね^^;)。
 
・まぐまぐ大賞2021語学資格部門2位と知識ノウハウ部門3位のダブルで頂きました(6年連続受賞)
本当にありがとうございました。
https://www.mag2.com/events/mag2year/2021
 
 
では本題です。
 
 
前回は年金からの特別徴収の徴収のやり方を紹介しました。
簡単におさらいすると、4月、6月、8月は2月に徴収した金額をそのまま「仮に」用いて年金からの天引きを続け(仮徴収)、6月過ぎると前年所得が確定してくるので、それにより今年に徴収する介護保険料額などを決める。
 
前年所得を元に今年の保険料が確定するので、確定した保険料の徴収を10月から行う(本徴収)。
 
 
しかしながら、前年所得が確定するまで「仮に」徴収していた分があるので、それを確定保険料から仮徴収した分を引いた額を徴収する…という流れになります。
 
なので、年金からの保険料徴収額の変更が行われるとすれば、10月分15日振込分からとなります。
 
 
原則は。
 
しかしながら、8月15日支払の年金額に対しても社会保険料天引き額をすこーしイジる(調整)事があり、そのために8月の年金振込額が変化したりします。
 
 
なぜ、8月の保険料天引き額が変化するのか?
 
例えば、今年の介護保険料額が96,000円に確定したとして、仮徴収で4月、6月、8月に12,000円徴収していましたとします。
 
 
合計額は12,000×3=36,000円
 
払わなければならない残りは、96,000円ー36,000円=6万円
 
 
で、そうすると本徴収10月、12月、2月の3回で天引きする額は20,000円ずつになりますよね。
 
 
96,000円から仮徴収した金額36,000円引いたら本徴収する総額は60,000円。
 
 
60,000円÷3回の本徴収=20,000円
 
ただ、仮徴収(12,000円)と本徴収(20,000円)の額に結構差が出ています。
 
 
年金の特別徴収をする場合はあまりこの差が生じないようにだいたい一年間を通して平行な金額(平準化といいます)を徴収するんですね。
 
 
10月からの年金からの本徴収金額を平準化したいから、8月支払いの年金から天引きする場合ちょっと8月の年金の社会保険料の天引きを多くしたり低くしたりします。
 
 
で、上記の96,000円を使うと4月に12,000円、6月に12,000円、そして8月にとりあえずですが金額をイジッて21,000円に多めに徴収すると、本徴収から天引きする額が一回20,000円だったのが一回17,000円となり、10月、12月、2月の本徴収は各17,000円になりました。
 
 
96,000円-(12,000円×2回+21,000円)=介護保険料残金51,000円(17,000円×3回)
 
これで仮徴収12,000円からの本徴収値上がり幅が一回20,000円から17,000円になってある程度狭くなりましたね!
 
 
よって、仮徴収の時の12,000円と本徴収時の差が縮まる事で多少平準化する事が出来ました
 
image
 
今度は逆に仮徴収額より本徴収額が下がってしまう人の場合。
また今年の確定した介護保険料が96,000円とします。
 
仮徴収の4月20,000円、6月20,000円、8月20,000円とすると、96,000円-(20,000円×3)=36,000円となり、10月、12月、2月の本徴収はそれぞれ12,000円になります。
 
 
で、今まで20,000円だったのが本徴収から12,000円まで大きく下がりました。
 
 
ちょっと差が大きいからとりあえず一年間を通して徴収金額を出来るだけ平行にするとします。
8月の年金だけ仮徴収額を20,000円ではなく、8,000円徴収するとします。
 
とすると、確定した介護保険料96,000円-仮徴収合計金額(20,000円×2+8月分8,000円)=介護保険料残金48,000円となりました。
 
 
そして、この介護保険料残金48,000円を10月、12月、2月の本徴収で分けると16,000円ずつとなり、平準化しない場合の本徴収12,000円に比べて16,000円に上がった事で仮徴収20,000円との差が縮まりました。
 
 
だからこうやって、前年所得の変化で10月以降の本徴収金額が大きく値上げしたり値下がりする人は、今回の平準化を行う為8月の年金から天引きする社会保険料がなぜかおかしい事になってる事があります。
 
 
だからそういう場合は今回の「金額の平準化」を行ってるだけなのであります。
 
 
一応、平準化で天引き額をイジってしまうので、年金振込額が変更してしまうからその時はまた振込通知書が送られます。
 
今年の8月もしかしたらその金額に、ん?と思った方もいたかもですね。
 
 
なお、年金からの特別徴収は年金機構は市区町村からの依頼で社会保険料を年金から天引きしてるだけなので、天引きされてる介護保険料、国民健康保険料、後期高齢者医療保険料、個人住民税などの金額の詳細は年金事務所に聞いても金額の詳細はわからないため、お問い合わせは市区町村になります。
 
ーーーーーーーーーーーー
関連する有料メルマガバックナンバー
 
2020年3月バックナンバー

年金手取額に強く影響する社会保険料の強制天引きと各保険料の性質、年金から徴収する際の過程

https://www.mag2.com/archives/0001680886/2020/3

・2021年2月バックナンバー

年金額の手取りに強く影響する社会保険料の年金天引きは、突然不可解な変化をするのはなぜなのか。

https://www.mag2.com/archives/0001680886/2021/2

 
ーーーーーーー

・事例と仕組みから学ぶ公的年金講座(月額770円税込み毎週水曜日20時にメルマガ発行)
まぐまぐ大賞2020・2021受賞。
途中で登録されてもその月の発行分はすべてお読みいただけます。

https://www.mag2.com/m/0001680886

 

 

 


8月24日の第256号.年金制度特有であるカラ期間の成り立ちと、知っておきたい重要事例。

8月31日の第257号.受給している厚生年金を在職だから停止する目的と歴史、そして65歳前後の計算事例。
 
9月7日の第258号は届け出忘れが頻発した平成14年3月までの第三号被保険者期間の原因と歴史、そして年金額の訂正。
 
9月14日の第259号は年金受給者が就職すると即座に年金停止ではない事と、共済と厚年記録のある人の在職老齢年金。
 


8月3日の第253号.第二次世界大戦中に作られた厚生年金の変化と、報酬比例の年金だけではダメだった理由等。を発行しました。

8月10日の第254号.80代前後あたりの年金受給者の年金記録は今とは違う事が多い事例。を発行しました。

8月17日の第255号.更に複雑化した年金繰下げ制度と3つの事例。

ーーーーーーーーーーーーー

※有料メルマガバックナンバーリスト(250記事以上ありますがバックナンバーは月単位で購入可能です)
バックナンバー記事はすべて読みきりなので、どこから読んでも差し支えございません^^

バックナンバーはこちらから。
https://i.mag2.jp/r?aid=a5e0498c7d627b