共済年金って厚生年金よりそんなに有利だったのか? | 年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座

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知れば知るほど奥深い年金制度!
僕も日々勉強ですが、一人でも多くの方に年金の事を知って欲しいと思います。
年金は…正確に書くように努めてはいますが、少しでも年金の事を知っていただければ幸いであります。
一緒に年金について考えてみませんか?

おはようございます。
年金アドバイザーのhirokiです!


僕はよくブログプロフィールを弄るんですが、プロフィールってなかなか完成しないですよね(^^;;
考えれば考えるほど、ん〜…ってなる。
就職転職の時にやる自己分析みたいで、なかなか自分自身をわかってるつもりでわかってないもんだなと思った。

まあでも結構楽しんでます(笑)




では本題です。


時々、共済年金って恵まれてるよね~って話が出ますが、それは本当なのか。

何日か前に夜のジョギングしてる時に、お年寄りの方の集団ウォーキングの中で年金の話をされていた。
その時にチラッと耳にして今回のネタ(笑)






一昔前は確かに、厚生年金と共済年金の金額って結構差があって共済年金の方が金額はかなり有利でした。




特に昭和61年3月31日(旧法という)までに共済年金の受給権を獲得した人は。


昭和30年台から始まり昭和49年になるまでは高度経済成長といって、経済がどんどん成長して給与も5年くらいあれば2倍に膨らむような時代があった。
今の時代みたいに給与はほぼ上がらない、手取りは減る〜みたいな時代とは全く違う時代だった。

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で、その間、給与と年金の差を無くすために厚生年金も昭和40年から大幅に給付改善をしてきました。
現役時代の給与と年金の差が開く一方だったから。
現役時代に比べて20%くらいの年金という感じだった。




昭和40年になるまでは、厚生年金は月額3,500円くらいだったんです。
昭和40年改正で月額1万円、昭和44年改正で2万円、昭和48年改正では現役時代の6割以上は確保するという考え方に立ちながら5万円(インフレに対応する為に物価上昇に連動させる物価スライド制を導入した年)、昭和51年に9万円、昭和55年に13万円というふうに改善していきました。





そして、昭和60年改正の昭和61年4月1日(新法という)に全国民をまず国民年金(基礎年金)を支払う形にして、その上に計算式も同じ厚生年金も共済年金も報酬に比例する部分の年金を支払うってなったからだいぶ差が無くなった。
昭和60年改正は昭和50年代まで競い合うように給付を上げすぎてきたのを引き下げて後代の負担を過大にさせない為でもあり、また、共済と厚生年金の格差を是正する為でもあった。






それまでの、旧法までは共済は共済で独自のやり方で計算式があって手厚い給付をやっていた。



まず何が違うかっていったら、共済は退職前1年間の平均俸給(俸給っていうのは何か手当とかその辺を除いた基本給の事)で計算していた。
年功序列で勤続年数により給与が高くなってる時のを計算に使うからそりゃあ年金も高くなる。

しかも、厚生年金は60歳支給開始年齢だったが共済年金はまだ当時は55歳支給開始年齢だった(しかし平成7年までに60歳に引き上げられました)。




逆に厚生年金は若い頃の給与まで全体を含めた給与を平均して年金を計算するから、低い時の給与も含むわけで年金額も低くなる。

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まあ、文章だけで話すと何がどのくらい金額が違ったのかを示してみます。


昭和60年あたりを基準にしてみます。
計算式は特に気にしないでください(^^;;
合計金額だけ見てもらえれば…




今みたいな厚生年金の計算のやり方をする前の共済年金。
退職前1年間の平均俸給を400,000円とします➡︎年間俸給480万円。
共済年金期間を35年(420ヶ月)とします。



共済年金一般計算方式(一般方式)➡︎4,800,000円✖️{40÷100➕(1.5÷100)✖️20年を超える年数15年}=4,800,000円✖️0.625=3,000,000円の共済年金。





なお、共済年金は元々はこのように俸給に比例する年金だけを支給してましたが、昭和40年以降の厚生年金の給付水準が経済成長に合わせてどんどん上がっていった為、昭和48年に共済年金も厚生年金と同じく、加入期間に合わせて増額する定額部分を取り入れました。
これを厚生年金方式(通年方式という)による計算といいます。
もともと、共済年金に定額部分なんてなかった。




上の俸給だけの計算式のやつは一般方式という。

この一般方式と通年方式のどちらか有利な方を支給する



※通年方式(厚生年金方式)

定額部分➡︎732,720円(定数)✖️0.998(平成29年度改定率)➕36,599円(定数)✖️(20年を超える年数15年)=731,255円➕548,985円=1,280,240円


報酬比例部分➡︎年間俸給480万円✖️0.95÷100✖️35年=1,596,000円




通年方式の合計額は定額部分1,280,240円➕報酬比例部分1,596,000円=2,876,240円




よって、一般方式3,000,000円>通年方式2,958,560円だから一般方式を支給する。



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じゃあ民間の厚生年金の人達の年金額はどうだったのか。


昭和60年当時あたりの厚生年金の平均標準報酬月額(若い頃の給与も含めて平均する)が250,000円くらいだったのでそれで計算する。


報酬比例部分➡︎250,000円÷1000✖️10✖️420ヶ月=1,050,000円

定額部分➡︎当時2,050円✖️360ヶ月(360ヶ月頭打ちだった)=738,000円



厚生年金合計額は1,788,000円。



まあ、ちょっと計算してみましたが、昭和61年3月31日までに年金もらう権利を得た人は共済年金は結構有利だったですね〜



昭和60年改正後も制度上、共済年金と厚生年金にはいろいろ違いはありましたが平成27年10月の被用者年金一元化法に原則として厚生年金に揃えられましたニコニコ



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