個人的な話ですが・・・
私の中ではほとぼりが冷めた頃だし、それに以前から気になっていることがありましてね。
昔、フアンだったバンドのライブに行った際にこんなことを言われたことがあった。
「私たちは誠心誠意、皆様に楽曲をお伝えしたいと思います・・・」
後日ではあるが、そのバンドのドキュメンタリーがあった。彼らが言うには、どんな人がライブ会場に来ているかわからない。私たちのことが好きで、楽しみにしていた人ばかりではなく、連れて来られた人や、初めてお会いする人かも知れない。もしかしたら捨てるような気持ちでチケットを買って、人生の最後に・・・と思っている人がいるかも知れない。そんな人が今日いるかも知れないと思うと手が抜けないんだと話していた。
私はこの話に共感し、時々仕事の時にもそれを思い出していた。
当初、私の描いた夢は人前に出ると言うものではなかった。
しかし勉強すればするほど、一般の人との目線が変わって来るし、どうしてこんな簡単なことがわからないのかと思った時期もあった。でも同じことをみんながやっている訳でもないのだから、わからなくて当たり前なのだ。学校で教えることでもない。
それであればわかっている人が教えるべきなんじゃないのかと思い始めた。
そこでお客様の前に出て解説をした。
でもいくら話してもお客様の足が止まらない。
なぜ人の話を聞かないんだと思った。
その頃はこちらが主導の「教えてやる」と言う考えが強かったのだ。これでは人は話を聞かない。
考えてみたら、自分だって生まれた瞬間からこの仕事をしていた訳ではない。最初は同じことを考えていた。
それに一度に色々話しても、しゃべりのプロじゃないから伝わる訳がない。
「言った」からと言っても、伝わっているとは限らない。
理解してもらうことの前に、普通の人として、まず足を運んで下さったことに感謝する気持ち、労う気持ちを伝えるべきだと思った。またたくさんのお客様がいる中で、私の声に足を止めて下さってることと、お会い出来た喜びを素直に伝えることに時間をかけた。
一方的に話すことよりも、相手の反応がどうなのかを見ながら話した。
こちらから何を伝えるかよりも、どう伝わっているのかが重要なのだ。
だからいくら実績があっても、輝かしい過去を持っていたとしても、今、ここに来ているお客様がどう思っているかを受け止めなければいけない。それはお客様の言いなりになると言うことではない。伝わっていなければ、伝える努力をしなければいけないのだ。
人が増えたり、規模が大きくなると、それ以上に色々な人が来るようになる。また自分の伝えたいことも伝えにくくなる。
ハッキリ言って今あるのは自分の力ではなく、先輩たちの実績なのだ。
自分の実績はこの先の未来に結果が出て来ることになる。
そこを勘違いして、驕りの気持ちがあると、足下をすくわれる。
私もそれに気がつくのに時間がかかった。失敗もたくさんした。
意見が違ったり、昔のやり方ではと思うことも正直あると思う。
でも今、普通の人になった私がそこに行った時、お客様の声に共感してしまった。
人は自由に空を飛んで来る訳ではない。
わざわざお金と時間を使って、足を運んでくれているのだ。
正直マズいと感じている。
人は一期一会の人がほとんどだ。
それは物でも同じかも知れない。
でもその中でもう一度見てみたい、会ってみたいと思われない限り、リピーターにはなってくれない。
どんな人がどんな期待を持って来てくれるのかわからない。
だからこそブレてはいけないのが、感謝や労いの心を常に持つことだと思う。
今の自分に何が出来るのだろうか?