コンビニでたむろ、集会で、ちーす!
ジャスコの駐車場まで2ケツでタコ踊り、じゃないよ。
非行とは別物の、「徘徊」。
自分は「冒険」のつもりだった。
夜中になるとそれはそれはうるさく鳴くカエルたちの生態を観に行ったり
だれもいない学校の中庭を訪ねたり。
お寺の墓場や、地蔵や道祖神の乱立する原っぱとか。
今思えば、そんな怖い所に良く行ったものだ。
けれど、昼とは違う光の具合や、人がいない静かで不思議な景色に
どうしても心奪われたのだ。
親に見つかって、しこたまぶんなぐられて
深夜の冒険は終了したけれど。
いまだ夜には、心が躍る。
綺麗なおねいさんのいる繁華街に思いが馳せるから?
いや、
やっぱり、狸やイタチや、池のコイの夜の暮らしが
気になってしょうがない。
絵で泣いた。
酒井駒子さんの絵は、少女たちの表情が秀逸で
老練…とは失礼かもしれないが、どこか熱の無い静かな強さを
秘めていて、とても完成度が高く、目にとまる度、敬服している。
憧れの作家さんであるが、その高さ?に敬遠しがちだった。
しかし、この絵本は、良かった。
ニ度泣いてしまったよ。
静かで美しい夜の世界、の絵。
…これはあの頃の子供の気持ちで。
よるくまの泣き顔、の絵。
…これは大人になったから。
絵、ってすごい。
酷く簡単に言えば、絵の具を筆で紙に押し付けられただけなのに
こんなに心を揺り動かすことができるのだ。
もちろん、
やさしい言葉遣いが、物語を柔らかに包む。
最高だよ。
よるくま/酒井 駒子

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