田舎だったので大概の本はそこで買っていた。
まあ、だいたい漫画なんだけど。
「俺の空」とかも買わせてもらえた。ありがとう、Kくんのおばあちゃん。
店の奥、小さなスペースに童話と絵本のコーナーがあった。
なにげに手にとった本は長新太さんのイラストだった。
その自由さやひょうひょうとした魅力に、なにかがはじけた。
絵描きになれたらいいなあ、とぼんやり考えていた僕は
その頃、ファインアートの道の険しさに恐れをなしていた。
けれど、他にとりえもない自分が心底楽しめて挑んで見たいな、と
思わせたのは長さんの自由な線と色使いだった。
色んな要素が自分の行く先を決めていくものだけど
確実に影響を受けているのだろうなあ。
先立つひとが残したものは、自分の中に生き続けていく。
昨日、長新太さんが亡くなった。
御冥福をお祈りします。
長 新太