小林強化部長、宇野に「結果を真摯に受け止め、宿題持って帰って克服して」-サンスポ


この記事にある小林部長の発言は、自分の探しもの下手もあってか他誌には見られなかったのだが、今回の四大陸後の関係者や評論のなかで、ひときわ目に残る発言だった。


「(坂本が優勝した)女子は平昌に弾みがついた。宇野は結果を真摯に受け止め、宿題を持って帰って克服してほしい」


当方、不遜にもざっと見て、「いうなあ・・」の初見。
これには、厳しいなと思うと同時に、よく言ったなあ・・の慄きの瞠目もあった。
きょうび、なにかと外野がかまびすしい世の中、関係者も知らないわけではあるまい。

今回、この五輪に向けては、フィギュアチームの監督も務める小林部長だが、やたら期待値の跳ね上がるメダル候補者に対して、世間の矛先を逸らし、一刀両断に切ったのだろうか。
そんな思惑も想像しつつ、もっとストレートでシンプルな、宇野昌磨へのメッセージも感じている。
そう、フィギュアスケート日本男子シングルのエースであれ、と。
そんな、エースの自覚、覚悟を持ってほしいという切なる願いも込められていたように、自分は感じないではいられない。
これはいうまでもなく、羽生が、高橋が、本田が、と脈々と受け継がれている日本男子スケーターの、エースと呼ばれる男達が受け止めてきた重責。
そして宇野にもその立場にふさわしい力があり、資質があるのだと。

今季の宇野は、羽生のアクシデントで、ずっとフィギュア情報の前面に立ち続けている。
今までにない、五輪熱が高まる状況の中で、独特の嗅覚と発想でメディアをいなし、柳に風のごときマイペースを保つよう努めているように見えるが、目に見えない、自覚もできないストレスは抱えてきていると思われる。
それでも、こうした環境に竿をさし、混濁する大河を見事渡りきってきたのもエースなのだと、私たちは知っている。

小林部長の発言の真意は自分にはわからないが、その真意はきっと、宇野昌磨には伝わっている。
彼が日本フィギュアスケート男子シングルの、一人のエースであるなら。