ギリシア救済をめぐる投機的な動きとユーロ・ショート・ポジションの積み増し・巻き戻しのボックスを経て、ギリシアに対する中途半端な救済策と財政政策の不発、弱いユーロ域内経済という背景から、完全なる需要不足に陥ったユーロ圏に対する解決策は・・・。

「通貨切り下げ(ユーロ安)」しかない

ユーロに対する信任の低下とかいうマスコミの報道は近いうちに、「積極的・確信的なユーロ安」という言葉に取って代わられるだろう。

ドイツ、フランスによる積極的な財政救済という策がなされなかったため、中途半端な形でギリシア問題は放置されることとなってしまった。

上記の状態で、財政の規律を回復するためには財政支出・需要の縮小が必要となり「必然的にデフレ状態となる。同様の状況にポルトガル、スペインも陥っており、経済状況の回復は輸出等を梃子にした政策が必要にならざるを得ない。

ユーロ圏内においては、ドイツ、フランスの経済状態は相対的には「マシ」だが、それでもフランスは経済成長がゼロ近辺にあり、経済の復調からは程遠いと言える。また、ドイツは、輸出によって回復過程にあるが力強いものではない。

「確信的」ユーロ安を予想する上で避けられないのが、ドイツのブンデス・バンクから続く「強い通貨」政策との齟齬であろう。それであっても、私は次の3点から担保されると考える

①ギリシアに対する財政的支援が国内世論の反対により不可能だったドイツの負い目
②域内経済は、財政規律の回復により需要が停滞し、停滞脱出には外需に頼らざるを得ない
③今程度のレートを維持しても、周辺諸国の経済回復は難しく、結局、危機の蒸し返しでユーロ危機になる



しらんけど