水稲栽培によってセルロース系エタノールを国産しよう、というアイデアの提唱者は、休耕田の利用を想定しているようです。
私はこの休耕田の利用は平地に限定すべきだと考えています。山村はセルロース系エタノール製造には不向きだと考えているのです。これは水稲を原料とする場合に限らず、例えば三井造船が岡山県で試みているような、「森林から採れるバイオマス=木材や葉・枝など」を原料とするケースにも当てはまると考えています。
山村でやろうとすると、
・交通の便が悪いので、工場資材の搬入にも、農薬や肥料の搬入にも、製品の出荷にも、エネルギーの投入量が平地より多くなる
・作物栽培可能な土地が狭いので大量生産できない
・作物栽培地の高低差が大きく、地形も複雑なので、「収穫」および「収穫した原料の工場への搬送」において、エネルギーの投入量が平地より多くなる
この3つが障害になるだろうと私は考えています。
エネルギー産業はできるだけエネルギー投入を減らし、投入量に対する生産量の比率を上げなければいけません。そのためには山村は平地より不向きです。
ここでは平地でのエネルギー作物栽培を考えることにします。