ASPOに参加している「もったいない学会」の石井先生が新著を出しました。

書籍名: 石油ピークが来た 崩壊を回避する「日本のプランB」
著者名: 石井吉徳
出版社: 日刊工業新聞社
発行日: 2007年10月30日

石井先生は「化石燃料の代わりは存在しない。代替エネルギーは化石燃料ほどの利便性を持たない」と主張しています。

バイオ燃料についても、石井先生は賛成していません。農産物からエタノールを製造することには(ブラジルでさとうきびから製造しているケースを除いて)反対していますし、セルロース系エタノールについても、長期的に土地が瘠せると予想されることから、その対策の必要性を述べています。

私も現状で判断する限りそういう帰結になると思います。

このブログではまだ詳しく書いていませんが、私は海で燃料作物(作物と呼べる形態の植物になるかどうかはまだ分かりませんが)を生産するよう研究開発を進めるべきだと考えています。その作物生産過程には、上述の石井先生の指摘通り、物質循環を組み込むことが要求されるでしょう。(私にはあるアイデアがありますが、ここでは置いておきます)

また、植物や微生物の生産性をシステム生物学を駆使して大幅に上げることがバイオ燃料時代の前提条件になると考えています。

さらに、いくら生産性が向上したとしても、現在のような膨大な化石燃料の消費量をそのまま量的にバイオ燃料が代替するのは不可能だろうと予想しています。従い、あらゆる機器設備の省エネ化、(都市計画や交通運輸網整備計画なども含めて)社会全体としての省エネ指向が定着することが、バイオ燃料時代のもう一つの前提条件となると考えています。

地上でのバイオマス生産は、人間が長い歴史を通じて行ってきた「食糧・衣料用繊維・住宅家具用木材」の生産に限定するべきだと考えています。