私の想定に反して、先週火曜日の9月11日OPEC総会で日量50万バレルの生産増加が決議されました。


日本経済新聞(朝刊) 2007年9月12日(水) 1面
「OPEC増産 2年2ヵ月ぶり 日量50万バレル」

(Quote)  【ウィーン=清水泰雅】石油輸出国機構(OPEC)は十一日にウィーンで開いた総会で加盟国の原油生産量を十一月から日量五十万バレル増やすことを決めた。一バレル七八ドル台と過去最高水準まで高騰した原油価格を落ち着かせる狙い。

 当初、OPECは「現在の原油供給量は十分な水準」とみていたが、二年二カ月ぶりの増産に踏み切る。増産でイラクとアンゴラを除く加盟十カ国の生産量は日量二千七百二十五万バレルとなる。OPEC各国の生産量はすでに目標を突破しており、今回の増産が相場に与える影響は限定的との見方も多い。 ...(後略)... (Unquote)


4月24日の投稿#306で書きましたが、もう一度思い出してみましょう。

OPECは、

・2006年11月に、日量2750万バレルから日量2630万バレルへと、日量120万バレルの減産を行った。
・2007年2月に、日量2630万バレルからに治療2580万バレルへと、日量50万バレルの減産を行った。
・2007年11月から、日量2675万バレルから日量2725万バレルへと、日量50万バレルの増産を行った。

今年の2月の減産から今年11月の増産の間で、日量95万バレル相当の増産が知らぬ間に起こっていることになります。

上記の記事には「OPEC各国の生産量はすでに目標を突破しており」と書かれていますが、この「日量95万バレル相当の知らぬ間に起こった増産」を意味しているのだと想定します。

そうすると、次の焦点は「アラムコが11月積み原油輸出量を、契約からどの程度削減してくるか」ですね。

4月23日の投稿#305で書きましたが、もう一度アラムコの「各月ごとの契約量からの供給量削減率」を見てみましょう。(全て日本経済新聞商品欄より)

2006年11月積  △7~8%
2006年12月積  △5%強
2007年1月積   △8~9%
2007年2月積   △10%強
2007年3月積   △8%
2007年4月積   △9~10%
2007年5月積   △9~10%
2007年6月積   △9~10%
2007年7月積   △9~10%
2007年8月積   △9~10%
2007年9月積   △9~10%
2007年10月積   △9~10%

3月に発表された4月積以降、「9~10%契約量より減らしている状態」が続いています。

10月10日頃に11月積の量が新聞に載りますので、注目しましょう。

削減率が変わらなければ、サウジアラビアが単独減産していることがいよいよはっきりします。

というより、もうはっきりしていますね。

2月から9月の間、「日量95万バレル知らぬ間に増産している間、アラムコは削減率を維持した」わけですから。