9月7日(金)の日経朝刊一面トップ記事は、「ハバートのピーク」に関する報道です。
日本経済新聞朝刊 9月7日(金) 1面
「工業ガス各社 半導体向け供給削減 電子機器生産影響も」
(Quote) 大陽日酸や岩谷産業など工業ガス各社は、半導体や薄型テレビの製造に使うヘリウムガスの供給量を十月から減らす方針を固め、国内需要化と調整に入った。最大手の大陽日酸の削減率は平均三〇%。世界的に需要が増えているうえ、主要産出国の米国のガス田で老朽化設備の大規模改修が始まり、供給が細るため。代替ガスですぐに対応することも難しく、年末商戦を控え、様々な電子機器の生産に影響が出る可能性がある。 ...(中略)...
ヘリウムガスを生産するのは米国やロシアなど五カ国だけで供給源は限られる。 ...(中略)...
シェア首位の大陽日酸は一部の需要家に供給削減をすでに通知、今後約三千の顧客に通知する。二位の岩谷産業は平均一〇-二〇%、三位の日本エア・リキードは平均二〇-三〇%供給を減らす方針。四位のエア・ウォーターも検討している。各社は緊急性が低い風船など娯楽分野向けの削減幅を大きくし、半導体など主要産業向けは一〇%前後にとどめる。
...(中略)...
今回の供給削減は米国の生産事情の影響が大きい。日本で使われるヘリウムガスの大半が米国産だが、現地では老朽化しトラブルが相次ぐガス田設備の改修が本格化。これに伴い日本への供給が減る見通しだ。
大陽日酸と日本エア・リキードは、主要調達先の米エクソンモービルから十月以降の大幅な供給削減を通知されたもよう。米ワイオミング州のガス田で十月から、大規模な設備改修に着手する影響とみられる。
改修には二週間から一カ月かかるとみられ、その間は生産が減る。他の調達先でも設備改修の可能性が浮上、「日本への影響は少なくとも年内いっぱい続く」(工業ガス大手)という。 (Unquote)
上の記事だけだと「設備の老朽化のせいであって、地下に埋まっている資源量とその産出(噴出)の時間当たり量の問題ではない」と主張可能ですが、同じ日経朝刊の別のページに掲載されている続きの記事を読むと、日本経済新聞社が、この問題が「ハバートのピーク」に関するものであることを理解していると暗示していることが分かります。
同 11面
「資源争奪、希少ガスにも ヘリウム供給削減 代替品決め手なく」
(Quote) ヘリウムガスの供給削減という異例の措置は、米国での設備改修が直接の引き金になっている。ただ背景にあるのは、慢性的な供給不足と加熱する資源争奪戦だ。新たな大規模ガス田が発見されない限り、世界需給の逼迫(ひっぱく)は当面続く見通し。 ...(後略)... (Unquote)