前回紹介した超音波醸造所(有)の技術が実用化できるのかどうかはまだわかりませんが、実験段階ではうまく行っているようです。
「エネルギー使用効率が五-十倍に高まる」というのが本当なら、仮に5倍に高まるとすると、とうもろこしからエタノールを製造した場合現在濃縮工程にかかる55%のエネルギーを10%程度にまで削減できる、ということになります。
そうしますと計算上エネルギー収支が、「1:1.25」から「0.55:1.25」となります。「0.55:1.25」は「1:2.27」となります。
大幅な改善ですね。
さて、次の記事を読んでいただきましょう。
日本経済新聞朝刊 2007年4月27日(金) p15
(Quote)
ブラジル産エタノール
エネルギー効率石油・石炭並み
電中研が試算
サトウキビからつくったブラジル産エタノールを日本に輸入した場合のエネルギー利益率(EPR)は六・九四に達し、石油、石炭火力並みであることが電力中央研究所の天野治・定石特別契約研究員の試算でわかった。エタノールはエネルギーの効率利用という観点では有望な代替燃料になりうる。
EPRは一定量のエネルギーを生むのにどれほどのエネルギーを費やすかの収支を示す。六・九四はエタノール製造や輸送に費やすそうエネルギーの約七倍のエネルギーが製品から得られることを意味する。
ブラジルでは肥料や労力、エネルギーをほとんどかけない粗放的な農法でサトウキビを生産、エタノールをつくっている。現地でのEPRは八・三とされる。 (Unquote)
この記事の内容には気になる点がありますが、今はそれはおいておきましょう。「1:6.94」というエネルギー収支が正しい数値だと仮定して考えます。
ブラジルでさとうきびからエタノールを製造するのに濃縮工程でかかるエネルギーが何割なのかよくわかりませんが、とうもろこしで55%だということから考えて仮に40%と仮定すると、「1:8.3」が「0.64:8.3」までエネルギー収支が改善することになります。これは「1:12.96」ということです。
「1:10」を超えるかもしれないわけです。もし本当なら、画期的な話ですね。
超音波マイクロバブルによる分離、期待しましょう。