蒸溜工程は要するに、「異なる物質の沸点の差を利用して、物質を少しずつ分離する手法」のことです。

水とエタノールとでは、後者の方が沸点が低いので、加熱すると先にエタノールがたくさん蒸発し、水が少ししか蒸発しない状況が生まれます。これを利用し繰り返して濃度を上げるわけです。

ということは加熱しなければいけないわけですね。エネルギーを加えてやらないといけません。

発酵した後の水溶液の濃度をもっと上げられるといいのですが、難しいんですね。

エタノールの濃度が上がると、酵母が耐えられなくなってしまうんですよ。だんだん発酵する機能が落ちてきます。このことは昨年ご紹介した、米エネルギー省のセルロース系エタノールに関する報告書にも書いてあります。

生産されたエタノールが水溶液の濃度を上げ、酵母の発酵する機能を低下させる

負のフィードバック作用ですね。

お酒だってそうですね。何十度もある中国のお酒なんか、何ヶ月も何年も甕に漬け込んでますよね。酵母もたいへんですね。