Financial Times に同紙のエネルギー専門記者 Carola Hoyos が2月18日に書きました。幸い、購読者でなくても読めるページです。

http://www.ft.com/cms/s/11ba213e-bf7e-11db-9ac2-000b5df10621.html

非在来型石油 - 深海底油田、超重質油(タールサンドなど)、極北の油田など - の開発には大量のエネルギー投入が必要だということを書いています。

それこそが最も重要なんですけどね。

「自噴する地上/浅海域の油井で採れる light sweet crude と比べて、エネルギー収支上は圧倒的に不利である」というところが、最も重要です。

なぜなら、それこそが「人間がその資源を地下から掘り出すのをやめるときがいずれやってくる理由」の根幹だからです。地下に資源が量的に大量に残っていても、掘っているうちに割が悪い鉱床が多くなってくる(註)に従い、次第に採るのをやめていくんですよ、人間は。

「他の代替物と比べて、相対的に割が悪くなる状態」が先に来ます。

他の代替物を使い果たしてしまったら、今度は「投入エネルギー量より多くのエネルギーを回収できるかどうか」が問題となります。

深海底油田やタールサンドなどが突きつけている問題は、このことです。まだ深刻な問題だと捉えられていませんが、いずれ「たくさん埋蔵量があるくせに、役に立たない」という声が出てくるときが来ると私は考えています。

そこまで書いてほしかったです。

ま、何はともあれ、主流派メディアが次第に「核心に近づいている」ということは言えると私は思います。

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註: こういう現象を英語では "progressive depletion" と表現します。日本語にはうまく言い当てる表現が今のところ見当たりません。