昨年11月から「化石燃料の減退にどうやって対処するか? その私案」という位置づけで、このブログテーマと「植物の生理とR&D」で、延々と書いてきました。

私は「人間は植物(生物)のすごさをまだ良く分かっていない。もっともっと利用できる。これから掘り出し物がどんどん出てくる」と考えているわけです。

「ぐんぐん育って茎にたっぷり物質をたくわえる作物を工場で処理すると燃料がどんどん採れる」光景や、「海にたくさんの草のような植物が生えてきて、それを刈り取って工場に運んで処理したら、燃料や飼料が出てくる」などといった光景を想像しているわけです。

そうして、バイオ燃料やバイオマテリアル化成品の原料を現状の何倍もの量生産し、肥料投下量の減少・社会全体の省エネ化と相俟って現状よりエネルギー収支を改善できるだろうと考えています。

こういう植物は、現在の基準で言うと「化け物」と称してよい植物です。

こういった存在は、人間が厳しく管理する必要があると私は考えています。

「人間が手をつけていない自然が残っている領域」と「人間が手を徹底的に加える領域」とを厳重に区別しなければならなくなると思います。

もう一つ、私が目を付けている特徴は、「地下から掘り出すものは掘り出すのにエネルギーが大量に要るので、回収効率の良い濃縮度の高い資源から先に人間は使ってしまう。言い換えると、後になればなるほど資源の質が悪化する。これに対して地上で生産する資源は、技術開発が進むにつれて生産効率が上がる傾向が出てくる」ということです。

このことが、「長期的に見て、再生可能エネルギー、特にバイオマス由来エネルギー源が化石燃料を最終的に打ち負かす局面が、いずれ到来するだろう」と私に考えさせている背景にあります。

ただ、再生可能資源は濃縮度が一般に低いので、利用するためには、エネルギーを消費する側での効率向上が要求されると私は考えているわけです。

また、バイオ燃料については、濃縮度が今は低くても、葉緑体の改造によって濃縮度を人工的に上げることが将来可能になるだろう、とも考えているわけです。

論ずるのに3カ月以上もかかりましたが、こういった将来像が、Peak Oil を心配している forever2xxxさんに対する、私の回答です。

参考になりましたでしょうか。