「葉緑体工学(chloroplast genomics)」という言葉を聞いたことがおありの方はまだ極めて少ないと思います。
葉緑体を改造して光合成機能を強化しよう、という方向性の学問分野です。
まだまだマイナーな分野ですが、いくつかの研究機関・大学で取り組んでいます。
代表的なのは、(財)地球環境産業技術研究機構です。
ここを見てください。
↓
http://www.rite.or.jp/Japanese/kicho/kikaku/world/world04/02-20.pdf
光合成量の増大に向けて地道な努力をしている人たちがいるのです。
日本ではほかに名古屋大学なども取り組んでいます。
こういう研究がもし、前述した分子イメージングや高スループット解析技術と結びついたら、どうなると思いますか?
もちろん、明日あさってどうなるとは申しません。成果を生むまでには長い長い時間が必要でしょう。
しかし、私は「1分子ごとに解析できるようになった以上、いずれ葉緑体の機能も解明されるときが来る。そのとき、光合成量を大幅に増やすことができ、バイオマス生産量を大幅に増やせるようになるだろう。それが将来の『バイオ燃料生産・バイオ化学工業・食品生産へのバイオ技術応用』の物質的な基礎となるだろう」と考えています。