システム生物学の進歩を利用して色々な新品種を創り出せるようになったら、バイオ燃料の生産方法は次のどちらになるのだろうか?と私は考え続けています。

・現在想定されている主流: セルロース系の原料を酵素で糖分子に分解し、その糖を発酵させてエタノールを得、そのエタノールから色々な物質を製造するか或は直接エタノールを利用する。

・mattmicky案: 農作物を改良して「お化け植物」を製造する。畑でぐんぐん育ち、茎にたっぷり(例えば)糖分や蛋白質や油脂を蓄え、花を咲かせず、そのまま茎・葉・根を刈り取る。茎(と葉と根)に蓄えられた糖分などを利用して様々な物質を製造する。

どちらになるのか、私にはまだよく分かりません。

世間では前者が取りざたされています。私は後者も十分可能性があると思っています。生物の機能を徹底的に利用するのが前提なら、何も菌類にセルロース系原料を分解させるだけが能ではない、と思っています。

それから、農作物の改良については、家畜飼料としての利用にも大いに影響が出得ると思います。

人間が食べるものについては、引き続きイネやトウモロコシや小麦が使われ続けると思います。食感の問題がありますので、特に粒のまま食べるもの - コメ・トウモロコシ・大豆など - については、現在の農作物への嗜好が根強く残るのではないかと私は思います。

しかし、家畜に食べさせるのなら、例えば「蛋白質と澱粉と繊維質もたっぷり含んだぶっとい茎」を牛に食べさせても構わないわけです。

実際、穀物を過剰に牛に食べさせると、もともとたっぷりの繊維質を時間をかけて分解するようにできている牛の消化管に悪影響を与えることがあるそうです。