食糧についても論じておきましょう。

石油と天然ガスが減退すると、食糧生産・供給にどう響くでしょうか?

・肥料生産への障害
・農薬生産への障害
・農機生産/農機輸送への障害
・農業用水供給への障害(ポンプによる汲み上げ)
・食糧の流通過程(物流)への障害

こんなところですか。

これまで挙げた燃料生産とそれから派生する化学工業、それから省エネ化の進展が、農薬・農機の生産と農場へのそれらの輸送については解決策となり得ます。

流通過程と水供給についても、主に燃料の問題ですので、同様に解決策となり得ます。(耐水層が水源の場合は、必ずしもそうとは言えません)

化学肥料特に窒素肥料の生産はそうはいきませんね。

これについても、バイオテクノロジーが解決策を提供してくれると私は考えています。

簡単にいうと、「マメ科植物がやっていることを利用する」ことが将来流行るだろうと思っています。

マメ科植物は、根にこぶを持っています。こぶに「根粒細菌」と呼ばれる微生物が住んでいます。その微生物が空気中の窒素から窒素の化合物を合成してくれるのです。

ですから、マメ科植物に窒素肥料を与える必要は原則としてありません。

1分子レベルで解析できるようになったのですから、根粒細菌の機能が解析されるのも、「時間の問題だ」と私は考えています。

「時間」といっても、10年とか20年とか30年とか、そういう長いなが~い時間ですけど。