前回ご紹介した「省エネルギー技術戦略」PDFファイルの13ページ目には、超燃焼 - 素材産業の製造工程における省エネ化に向けて、どういう研究開発をするべきかが書かれています。
もちろん、まだまだ未開発の分野です。研究開発の本格化はこれからです。
私は、この分野の実用化が、それなりに遠い将来 - 30年後くらい? - には、結構進んでいるだろうと考えています。
理由は単純です。
これまで日本人が目茶苦茶に「製造業の省エネ化」に熱心だったからです。
この背後には、
・製造原価を下げるには、原料・エネルギー消費を減らすのが極めて有効である。原料消費を減らすには、省エネ・省資源がその第一歩となる。
・原料、エネルギーは大部分が輸入品であり、70年代の2度の石油ショックによって、「原料確保は決して簡単なことではない」という考え方が行き渡った。
という2つがあると私は考えています。
特に一番目は重要ですね。営利事業ですから、結局カネの問題になります。製造原価を下げられるなら、そんな良いことはありません。会社の競争力も上がります。競争相手より安く製造できるようになるわけですから。
資源の節約にあまり留意しなかったアメリカの製鉄業界は、結局日本勢に負けてしまいました。80年代の通商摩擦時代を最後に鉄鋼貿易は日米間では重要でなくなってしまいました。
エネルギー不足に直面すれば、必ず節約する方法を産業界は取り入れるだろう、或いは開発するだろう、と私は考えています。
もちろん、その際に何らか妥協する可能性はあります。例えば「一定時間内の生産量を最大化することを諦める」といった選択はあり得ます。
エネルギー不足が深刻になれば、民間企業はそうやってでも適応しようとするだろうと私は考えています。
そういう場合は、我々一般の消費者も、「消費量を削減しつつ、生活に支障ないようにするにはどうしたら良いか?」問われます。
こうやって「民間企業のサプライチェーンに乗っかって、省資源化が全体として進行していく」のが、私が思い描いている将来像の大きな部分ですね。
逆に言うと、「民間企業のサプライチェーンが締め付けられない限り、消費者の側もなかなか節約に向けて努力しないだろう」と考えている、ということでもあります。
身の周りの現実はそうなっているでしょう?
私の周囲もそうですよ。