実を言うと、世間一般ではほとんど認識されないまま(メディアもほとんど指摘しないまま)「素材産業の省エネ化」は今や国策となりつつあります。
新・国家エネルギー戦略」という書類を昨年5月に経済産業省/資源エネルギー庁が策定し、昨年7月にその内容が閣議決定されたことは、以前から何度か申し上げてきました。
この「戦略」を具体化するため色々な施策が実行に移されつつありますが、その一つとして「省エネルギー技術戦略」という書類が策定されつつあります。
「省エネルギーセンター」という財団法人のウェブサイト上で、その策定途上の原稿が公開されています。
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http://www.eccj.or.jp/rodemap/pdf/1zenbun.pdf
「省エネルギー技術戦略」は今後省エネ化進展を目指す分野を5つ取り上げています。その1つに「超燃焼」という分野があります。これが「素材産業の省エネ化」です。
PDFファイルの4ページ目から少し抜粋してみましょう。
(Quote) 産業分野の中でエネルギー消費比率の上位にある鉄鋼・非鉄、石油精製、化学、窯業・セラミックスなどのプロセス産業では化石燃料を燃焼させて得た熱エネルギーの利用がエネルギー消費の多くを占めている。特に無為の燃焼利用は最小化したうえで、燃焼行程そのものを最大限高効率化し、精製される熱エネルギーを極限まで有効利用することが、産業分野における抜本的な省エネルギー/CO2排出量削減につながるとの認識から、燃焼利用を可能な限り省いた革新的な製造システム実現に向けた技術開発を積極的に進めること、同時に従来型燃焼とは異なる反応制御型燃焼、熱物質再生燃焼やプロセス複合型燃焼など燃焼高度化技術を併せて「超燃焼システム技術」と定義する。
具体的には、高温をうまく作り、化石燃料の持つエネルギーを高効率に利用するという観点から、上述の燃焼高度化・複合化技術の開発を進め、素材製造工程にプラズマ技術、マイクロ波、化学反応、バイオプロセスなどを活用することにより、燃焼工程を代替・補完する革新的な技術開発を推進していく...(後略) (Unquote)
こういうことを目指している人達がいるわけです。