しかし、とうとう政府が正攻法で押してきました。1面記事でしたのでご記憶の方も少なくないのではないかと思います。

日本経済新聞朝刊 1月24日(水) 1面

(Quote)
バイオ燃料普及へ新法
政府検討 給油所で混合可能に 税減免も

政府はバイオ燃料の普及を促す新法を制定する検討に入った。燃料の品質や安全性などの検査を条件に、ガソリンスタンドでもバイオ燃料の混合を認め、地場の農産物から生産したバイオ燃料を利用しやすくする。...(中略)...

経済産業省や財務省などは二月に検討会を設け、「新燃料利用拡大基盤法(仮称)の具体案作りに着手する。二〇〇八年の通常国会に法案を提出する方針。

...(中略)...

法案に盛り込むのはバイオ燃料の品質管理や課税の仕組み。ガソリンの品質検査は現行制度では全国三十カ所の製油所で行っているが、バイオ燃料はコメなど地場の農産品でも生産できるため、産地に近い油槽所やガソリンスタンドでも混合できるようにする方針。混合作業を行うガソリンスタンドなどに登録を義務付け、品質検査を実施、ガソリン税も混合するスタンドなどで課税する。

...(後略)... (Unquote)

ガソリンスタンドや油槽所での混合を認める、というのがおそらく最大の注目点ですね。

この法律がもし成立したとして、ガソリンスタンドなどの小売業界がエタノールのガソリンへの混合を自前で行うことを受け入れるなら、それは日本の石油元売り業界にとっては手痛い敗北となるかもしれません。また、全国各地の農協や農業法人や取引先企業、特に北海道の人達にとっては、新しいビジネスチャンスになる可能性があると思います。(エネルギー収支の話はとりあえず置いておきます)

欠点としては、ガソリンスタンドと税務署にとって徴税事務が増えそうだということですか。製油所でまとめて課税する方が事務的には簡単でしょうね。これが理由で自前でエタノールを混合するのを嫌がるガソリンスタンドも出てくる可能性はあると思います。

そう考えてくると、

(1) エタノールをガソリンに混合するガソリンスタンドにどういう優遇措置をつけるか

(2) 揮発油税法を改正して、エタノールにガソリンに対する価格上の優位を与えるかどうか

が重要かもしれませんね。二月に開かれる検討会に財務省が参加するのは必須と言えましょう。

来年の1~6月に開催される通常国会での提出を目指すわけですから、これからたっぷり法案検討過程を観察できそうです。今年最大のブログねたになったりして。 ^^