そこで、

「政治的な大変革を回避しつつ、石油を代替して車社会/近代産業社会を成り立たせるにはどうしたらよいか?」

これを当面の命題としましょう。

以下が命題に対する私の答えです。

(1) 当面の対策: 節約にまい進する。ガソリンハイブリッド車、ディーゼルハイブリッド車を全面的に導入する。速度制限の厳格化と燃料への課税の強化も有力な選択肢となる。

(2) 長期的な対策: バイオ燃料の開発を推進する。ターゲットは「セルロース系燃料」或いは「植物に油脂を大量に合成させる」のいずれか。

(3) 側面の対策: 電気エネルギーによって置き換えられる動力源はできるだけ電気エネルギーに置き換える。その場合の電気エネルギーの供給源をできるだけ、風力・太陽光・水力などの再生可能資源とする。

いくつか、説明しておきましょう。

まず、電気エネルギー源には、「原子力」は当然含まれています。

私は近い将来人類が原子力を使わなくて済むとは思っていません。自然エネルギーで賄えない電力供給量が相当出てくると思います。そこは原子力で埋めることになるでしょう。このことについて、私自身不安に思うところが全く無いわけではないですが、人類は使い続けると思います。

また、同じく電気エネルギー源には、「化石燃料やバイオマスを燃料とする分散型電源」も当然含まれます。これも利用が広まるだろうと私は考えています。

ただ、電力供給量で見ると、

原子力>風力・太陽光・水力>分散型電源

或いは

原子力>分散型電源>風力・太陽光・水力

のどちらかになるだろうと思っています。

次に期間について。

ここで言う「当面」とは、「今後20年以内」という意味です。

ここで言う「長期」とは、「今後30年間、或いはもっと長い期間」という意味です。

気の長い話ですね。そう、気の長い話です。

でも、昨年年末に私がここでやったようにエネルギーの歴史を振り返ると、10年は一瞬でしかないことがすぐ分かります。

エネルギー源の交代には時間がかかるのです。IT技術のように「3年経ったらがらっと変わる」という分野ではありません。