これはつまり、「車に依存している現代社会を石油減退時代ににどうするのか? そのまま続けるのか? それとも別の何かに再構成するのか? (後者なら)何に? (どちらにするにせよ)どうやって?」ってことですね。

現代の交通機関、というより社会全体で、もっとも石油を多く食っているのは自動車です。

一番無駄が多いのは乗用車です。バスやトラックはまだ効率が良いほうです。

乗用車はたった一人の人を運んでいることが少なくないですからね。一人の移動距離に対する燃料の消費は多くなる傾向にあります。

バスやトラックだと、業務上必要なところへしか行きませんが、乗用車はそんなことないですよね。あてもなく走ることもありますし、道を間違えることもしょっちゅうですよね。タクシーも乗用車ですけど、客を求めて空車で走っていることも多いですし。

前述した「移動手段の分散化の度合いが大きくなるほど、エネルギー消費の無駄は多くなる」傾向がある、ということですね。

交通・輸送・物流などの本質を考えると、必ずしも「何が何でも乗用車(特に自家用車)を社会に広く各個人向けに行き渡らせている現状を維持しなければならない」わけではありません。「もっと集約化しろ」という主張は可能です。

しかし、それは個人の自由を制限する方向への変化です。

現実に「全ての人が(集団用の)公共交通機関を利用する」なんて社会へ変化させることを、今の日本で考えられるでしょうか?

かなり難しいですね。

例えば私が独裁権力を持ったとしましょう。そうすれば多分実現します。(^^;)

おそらく国家権力で強制しないとだめでしょうね。

そうしますと、政治体制を変更しない限りは困難ということになります。

私の考えでは、こういう強制化は「資源不足に人々が直面して始めて可能になる」性質の変化です。そこまでいかないと、人々は受け入れないと思います。