同じ日に産経新聞も記事を載せていました。
産経新聞 11月11日(土) p9
(Quote)
売るに売れない?国産エタノール 農水・環境省と石油業界 軋轢
バイオエタノール混合ガソリンの本格導入を控え、流通を担う石油業界と、国産エタノールの普及を目指す農林水産省、環境省との間で軋轢(あつれき)が表面化している。エタノールをETBEという添加物に転換して混ぜる方式に一本化したい石油会社に対して、両省はエタノール3%を直接混入する「E3」方式を推進しているからだ。このままでは農家が生産した国産エタノールが一般のガソリンスタンド(GS)で販売されない事態に陥りかねず、両省は石油業界に協力を求める働きかけを強めている。(上野嘉之)
政府の京都議定書目標達成計画では、平成22年までにガソリンなど輸送用燃料のうち50万キロリットルを石油からバイオ燃料に置き換えるとしている。
ガソリンについて石油連盟は「ETBE一本でいく」、元売り会社も「E3販売は視野にない」(新日本石油)との認識だ。ETBEの方が品質が安定し、排出ガスもクリーンとの理由だが、流通の主導権を握る狙いもうかがえる。
石連は近くブラジルからエタノールを輸入する会社を設立し、関東、関西などの工場でETBE燃料を一括製造して流通させるとしている。
これに対し、来年から北海道などで年間5万キロリットルのエタノール生産を目指す農水省は、「エタノールを都会に運んで加工しては、コストが上昇して売れない」と反論。産地付近で直接混入するE3を推進する。同様に地産地消モデルを目指す環境省もE3派だ。
だが、石油業界がE3の販売を拒否すれば「エタノールを増産しても農協系GSでしか売れなくなる」(農水省)。このため環境省は石油販売会社にE3も取り扱うよう“お願い”しており、農水省も元売り会社に働きかける予定という。
一方、経済産業省は石油業界の態度を容認している。
政府が10日開いたバイオマス・ニッポン総合戦略推進会議では、経産省がエタノールの安定供給と低価格化を唱えたが、他省庁は「生産量が少ない国産エタノールへの牽制球」と警戒した。
農水省には農家の所得を増やす思惑。環境省は京都議定書の温暖化ガス排出削減目標達成が最重要課題で、石油業界には3省の“呉越同舟”の内情も見透かされている。 (Unquote)
産経新聞 11月11日(土) p9
(Quote)
売るに売れない?国産エタノール 農水・環境省と石油業界 軋轢
バイオエタノール混合ガソリンの本格導入を控え、流通を担う石油業界と、国産エタノールの普及を目指す農林水産省、環境省との間で軋轢(あつれき)が表面化している。エタノールをETBEという添加物に転換して混ぜる方式に一本化したい石油会社に対して、両省はエタノール3%を直接混入する「E3」方式を推進しているからだ。このままでは農家が生産した国産エタノールが一般のガソリンスタンド(GS)で販売されない事態に陥りかねず、両省は石油業界に協力を求める働きかけを強めている。(上野嘉之)
政府の京都議定書目標達成計画では、平成22年までにガソリンなど輸送用燃料のうち50万キロリットルを石油からバイオ燃料に置き換えるとしている。
ガソリンについて石油連盟は「ETBE一本でいく」、元売り会社も「E3販売は視野にない」(新日本石油)との認識だ。ETBEの方が品質が安定し、排出ガスもクリーンとの理由だが、流通の主導権を握る狙いもうかがえる。
石連は近くブラジルからエタノールを輸入する会社を設立し、関東、関西などの工場でETBE燃料を一括製造して流通させるとしている。
これに対し、来年から北海道などで年間5万キロリットルのエタノール生産を目指す農水省は、「エタノールを都会に運んで加工しては、コストが上昇して売れない」と反論。産地付近で直接混入するE3を推進する。同様に地産地消モデルを目指す環境省もE3派だ。
だが、石油業界がE3の販売を拒否すれば「エタノールを増産しても農協系GSでしか売れなくなる」(農水省)。このため環境省は石油販売会社にE3も取り扱うよう“お願い”しており、農水省も元売り会社に働きかける予定という。
一方、経済産業省は石油業界の態度を容認している。
政府が10日開いたバイオマス・ニッポン総合戦略推進会議では、経産省がエタノールの安定供給と低価格化を唱えたが、他省庁は「生産量が少ない国産エタノールへの牽制球」と警戒した。
農水省には農家の所得を増やす思惑。環境省は京都議定書の温暖化ガス排出削減目標達成が最重要課題で、石油業界には3省の“呉越同舟”の内情も見透かされている。 (Unquote)