別に風力発電や水力発電でなく、太陽電池でもエタノール精製工場でも良いのですが、全く石油や天然ガスなどの化石燃料の投入が直接にせよ間接にせよなされていないという代替エネルギーは、いまのところ存在しません。

だから、代替エネルギーをエネルギー源の主力とするのって大変なんですよ。「太陽光社会」とか、「風力社会」とか、そういった社会への道のりは長いです。

これは、それだけ石油が便利な資源であることを意味しています。あまりに便利なので、生活のあらゆる局面に入り込んでしまっているのです。

というわけで、「朝起き抜けに顔を洗う」というただそれだけのことをした時点で、もうすでに石油に依存してしまっているのです。我々の生活はそういうものになっています。

「起き抜けに顔を洗う」行為についての石油への依存は、電気エネルギーに対するものだけではありません。

蛇口にはパッキングが入ってますね。パッキングはゴムで出来ています。

中には天然ゴムで出来ているパッキングもあるかもしれませんが、大半は合成ゴム、そう、石油由来の物質のはずです。

水道管もそうですね。プラスティックで出来ている部分が少なからず存在します。

排水が流れていく下水管にもプラスティックが使われてますね。

このように、動力源だけでなく、物的な存在、素材としての石油の利用も、朝起きたときから始まっているわけです。

ご飯と味噌汁の朝ごはんを食べたとしたら、少なくとも「天然ガスから作った化学肥料を栄養源として石油から作った農薬に守られて出来た白米」を口に入れていることになります。ひょっとしたら、その白米を「石油から作った器」に入れ、「石油から作った細長い棒(プラスティック製の箸)」でその器から口に運んでいるかもしれません。

朝ごはんの後に歯を磨いたら、「石油から作った中性洗剤」を「石油から作った樹脂製の細長い毛の束」に載せて口の中に入れているわけです。

こういう「石油起源の ~ 」というリストは延々と続きます。みなさんも考えてみてください。近代的な生活のほとんど全ての局面で、我々は石油や天然ガスの助けを借りています。