水力発電は「クリーンで二酸化炭素を排出せず、再生可能エネルギー源なので石油や天然ガスが枯渇しても利用できる」と思っていませんか?

「再生可能エネルギー」というところだけはその通りですが、その他の点については現状では必ずしもそうとは言えません。

よくよく考えて見ましょう。

水力発電所は河川をせき止めるダムに併設します。水力を利用するためには、河川をせき止めることが必要です。

河川をせき止めるためには、土木工事が必要です。

土木工事をするためには、建設機械と建設資材が必要です。(労働者も必要ですが、ここでは無視します)

さっき原発について述べたのと同じことが当てはまります。

まず建設機械と建設資材の製造のために石油を消費します。

製造された建設機械と建設資材を工事現場に輸送するのに石油を消費します。

工事現場にそれらが輸送されたところで土木工事を行いますが、その土木工事の作業それ自体が石油を消費します。

ダムと水力発電所だけではなく、送電線の建設も必要です。電気エネルギーの消費地は都会ですからね。

これについても、建設機械と建設資材の製造、その工事現場への輸送、工事現場での施工作業、と3段階で石油を消費します。

こうしてやっとこさダムと水力発電所と送電線が完成し、電力供給を開始できることになります。