インドネシアの続報です。
ナツナ・天然ガスプロジェクトを ExxonMobil が実行しようとしない理由がはっきりしました。二酸化炭素含有量の問題は本当でした。
JOGMECの報告書が公開されています。
(独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構ウェブサイトより: 10月18日付報告書
http://oilresearch.jogmec.go.jp/enq/frame.php?lurl=/information/pdf/2006/0610_out_m_new_lng_projects.pdf
埋蔵されている気体に占める二酸化炭素比率は71%だそうです。
炭化水素量が多くても、これでは効率悪いですね。
まず二酸化炭素とメタンを分離しないと、産出したガスがそのままでは使い物になりません。
分離した二酸化炭素を大気中に排出するわけにもいかないので、報告書にあるように、例えば近場の枯渇した油田・ガス田に注入するなどする必要があります。
そうしますと、
(1) そもそも海底ガス田なので、船を用意したり、海工事をしたり、海底パイプラインを陸地まで引いたりして、地上のガス田より余計にエネルギーを投入しなければならないのは所与の前提。
(2) 二酸化炭素を分離するのに、通常のガス田よりはるかに多くのエネルギーを投入しなければならない。
(3) 分離した二酸化炭素を地中に再注入するためだけにエネルギーを投入しなければならない。おまけに、この地中への二酸化炭素注入が、枯渇した油田・ガス田の復活につながるかどうかはわからない。
いやいや、これは大変ですよ。そう簡単には開発しないでしょう。きっと、天然ガス価格が今の数倍になってから始まりますよ。