プロパンガスさんのご質問は、おそらくこういう意図のものだと私は思います。
「社会全体としてどちらを選択するかはとりあえず横に置いておいて、太陽電池と緑化によるバイオマス生産と、どちらが沙漠で行うに技術的な実現可能性が高いか? また、どちらが経済的効率が高いか?=どちらがより金になりそうか?」
これについては、私にはよくわかりません。現時点ではまったくデータも試算も見たことがありません。
将来どちらが実現する可能性が高いかと言われると、私はどちらかというと緑化する方が可能性が少し高いのではないだろうかとぼんやり考えています。しかし、何ともはっきりしたことは言えません。ほとんど直感/山勘の類です。
多少、思考の材料となりそうな事実はあります。
太陽電池はたしかにすばらしい道具だと私は思います。しかし、「昼間しか発電できない」という重大な欠点があります。太陽電池を広範に利用して社会全体における電気エネルギー源として重要な存在にするためには、電気エネルギーを貯蔵する優れた技術の開発が絶対に必要だと思います。これがまだまだ決定的に遅れています。(太陽電池ほど深刻ではありませんが、この問題は風力発電も抱えています)
世界の沙漠に太陽電池パネルを敷き詰め、大陸間を超電導ケーブルで繋いで電気エネルギーを融通すべきだ、という意見を言う人もいます。地上の沙漠のどこかが常に昼間なので、世界中で融通できれば停電しないというわけです。
この場合、超電導ケーブルの性能が問題となります。まだ大規模な送電はようやくアメリカで実験が始まろうとしている段階です。また、超電導材料は窒素の沸点(零下193℃)より低い温度に冷やす必要があるため、その製造と設置(建設工事)と維持に投入するエネルギーが問題となります。大陸間ケーブルなら海底を這わなければなりませんが、海底ケーブルを零下200℃近辺まで冷やすことが現実的だとは今のところ私には思えません。
沙漠の緑化は困難だと思います。しかし、植物の耐塩性・耐乾性を改善する品種改良は進んできています。現在、そういった品種改良は主に穀物などの農作物 - 食料生産用で元来は耐塩性・耐乾性をあまり考慮されてこなかった植物 - において進行中ですが、もしも「木の皮を食える」ようになれば、それこそ灌木みたいな元々から耐塩性・耐乾性の強い植物をさらに改良し、それを育てれば工場で加工して食品 - 炭水化物 - を製造できるようになり、また燃料も製造できる、ということがだんだん現実味を帯びてくると私は空想(夢想?)しているわけです。
そうそう、サボテンでも良いんですよ。
ま、いずれにせよ、現時点ではあまり正確なことは言えません。目を開いて事態の推移をよく観察しようと思います。
プロパンガスさん、これで回答になりましたでしょうか?