この選択は、結局「炭化水素の供給量が減少したら、その後どうしたらよいだろうか? 炭化水素が果たしていたどういう機能を別の何かで代替しなければならないのだろうか?」という問いに答えることです。
炭化水素 - 石油・天然ガス・石炭は、
・人工物 - 機械や道具 - の動力源
・人工物を構成する素材としての化成品の原料
・人工物ではなく、人間そのものにとっての間接的な動力源 ・・・ 肥料のことです
の3つの源泉を兼ねています。
ということは、炭化水素供給が不足したら、その代替にあたっては、上記3つを全部考えなければならない、ということだと私は考えます。
そう考えますと、沙漠を利用するかどうかは別にして、まずはバイオマス利用とその生産について優先して研究すべき、ということになると考えます。
電気エネルギーは重要です。ただ、残念ながら食えません。着たり手に持って使ったりすることもできませんし、それに座ったり乗ったりすることもできません。薬として服用することもできません。
ですから、社会全体としてどちらをより優先すべきか、と問われたら、どちらかというとバイオマスの方が電気エネルギー源より優先度が高いのではないかと私は考えています。
もっとも、私の想像(空想)をはるかに超えて、比較的狭い面積で革命的にバイオマス生産を増やすことが将来できるようになるのかもしれません。もしそうなったら、沙漠に限らず広い土地を太陽エネルギー利用に充てることも選択肢となり得るのかもしれません。