光合成には、以下が必要です。

・太陽光線
・空気
・水
・適度な温度

もちろん、植物が生命を維持していることが必要ですので、鉄やリンやカルシウムなどのミネラル類が供給されていることも必要です。

燃料作物の生産について考えることは、「一定の時間内、一定の面積内で、光合成量を最大化するにはどうしたらよいか?」を考えることと、基本的には同義だと私は考えています。

(もちろん、経済的に考えると、労働生産性・資本生産性、という問題もあります。問題を単純化して考えるため、ここでは置いておきます)

そうしますと、沙漠のように水が手に入りにくい場所は、燃料作物を生産するには不適格ですね。

チベット高原やシベリアのような寒い場所も、魅力的とはとても言えません。

・お日さまがふりそそぎ、
・水がたっぷりあって湿っていて、
・暖かい

そういう場所です。

結局、熱帯が最適だということになります。

もちろん、日本などの温帯でも可能ですが、熱帯の方がより有利だということです。

熱帯雨林地帯、熱帯モンスーン地帯で、平らな平野が広がっている場所... うー、私の感覚で言うと燃料生産するにはもったいない土地ですが、そういう土地が適地です。

やっぱり、ブラジルは有利なんですね。

アフリカ中央部も、政治的に安定すれば有望だということです。

東南アジアは平野がそれほど広くないですが、まあ適地と言えるでしょう。

インドも適地に見えますが、人口が多いので、食糧生産が燃料生産より優先する可能性が高そうに思います。

ヨーロッパ人はバイオ燃料利用に熱心ですが、ヨーロッパは大陸の西側ですので、気温の低い冬場に相対的に雨が多くなり、気温が高くなる夏場に水が相対的に少なくなる傾向があります。これは植物の成長にはあまり好ましくありません。大陸の西側は東側より不利だということです。ヨーロッパは高緯度地帯ですので、その点でも不利です。

水の確保まで考えると、

(1) 南米の北半部でアンデス山脈の東側
(2) アフリカ中央部
(3) 東南アジア

このあたりが適地のように思います。

インド、日本、アメリカ南東部はこれらに次ぐ適地ということではないかと思います。

ちょっと話が飛んでいるように思われるかもしれませんが、「21世紀は中国・インドの世紀だ」という世評に対して、「案外、東南アジア諸国が有利な位置にいるのかもしれない」と思うことがあります。